SDGs AWARD NISHITAMA 2022 受賞者 座談会
OPTリーダー 大井朋幸さん
昭和49年生まれ。47才。大田区出身。
世田谷から西多摩へ移住し、現在は奥多摩在住。トイレ清掃員として「日本一キレイな観光公衆トイレの町、奥多摩」を目指し、トイレ清掃員として日々働く。トイレ清掃が持つ負のイメージを覆すための様々な取り組みは、地域の誇りとして、子どもから大人まで広く支持されている。
みたけレースラフティングクラブ代表 柴田大吾さん
昭和51年生まれ。46才。大阪府出身。
平成21年、世界ラフテイング選手権日本代表選手として世界大会で総合準優勝。13年前に御岳に移住。現在はリバーアクティビティの魅力を広める事業の他、リバークリーンの活動を持続可能な事業としていくために取り組み現在では数多くの企業や学校から問い合わせが急増している。
GONA代表 篠田直さん
昭和50年生まれ。47才。福生市出身、福生市在住。
小学2年生で牛浜FCでサッカーをはじめ、19歳で同じく福生牛浜FCでコーチを始める。早稲田大学大学院まで、スポーツ科学を研究し、主なテーマは「子ども達がスポーツをすることでどのように心が育つか?」2003年に福生にスポーツクラブ「GONA」を設立し、来年で20周年を迎える。
2022年7月16日に本紙10周年を記念し開催された「SDGsアワード西多摩2022」では自薦他薦で応募された33団体・事業者から、3団体が受賞 。各地地域で活動し、地域からも注目されている3人の代表者に、西多摩についての想いを語ってもらった。
街プレ編集長(以下、街プレ):受賞された活動を始めた経緯をお聞かせください。
大井:娘にある日泣かれたこと。娘にとってトイレ清掃員の父親が恥ずかしい存在。なら「トイレ掃除を、誰もが憧れるような仕事に変えていく」。本気でそう思って取り組んできました。
柴田:台風19号の際、多摩川が氾濫し、ひどい状況に。大好きな多摩川のために何かできないかと、リバークリーンのイベントを企画。人と人とを笑顔で結ぶ場になることを体感し、リバークリーンにのめり込んでいきました。
篠田:クラブ運営をする中、子どもたちにスポーツの枠を超えた、学びの場を作りたかった。SDGsという言葉と出会い、環境のことや地域のことを知る機会を作りたく、様々な取り組みに挑戦を始めました。
周りの笑顔がエネルギーの根源
街プレ:日々のやりがいや苦労は?
大井:何より「綺麗だね!」と喜ばれること。地域も支えてくれ、日々の積み重ねが目に見えて感じること。ただ手を拭かず床は濡れてたり、ゴミの放置や便器にBBQ残飯を流した痕跡などもあります。
柴田:苦労と思うことがないんです。リバークリーンが、参加する人同士の出会いと笑顔を見た時にこれ以上ない嬉しさを感じます。
篠田:子ども達が「俺たちはGONAっ子だからSDGs気にしてるぜ!」って誇らしく思ってくれているのが伝わってきて嬉しい。ただSDGsに縛られてしまうことで活動しづらいことも実際はありました(笑)。
人と人がつながり、想いを広げたい
街プレ:今後の目標や夢などはありますか?
大井:西多摩全体が日本一綺麗な観光用公衆トイレの地域として、世界初のモデルケースにしたい。未来の資源を大切にする共通認識から生まれる交流が目標で、夢です。
柴田:取り組んでいると全国各地の方ともつながり他の地域の状況も気になってきます。今は多摩川138キロメートルのリバークリーンをしたい。そしていずれは海外にも出たいと本気で考えています。
篠田:プロ選手を輩出することが目的ではなく、「西多摩を背負って立つ人材を育てること!」と常に伝えてきました。笑顔やハッピーを大切にすることで活躍できる優秀な人材を育てていきたいんです。
「西多摩の人」それこそが宝
街プレ:皆さんが思う西多摩の魅力とは?
大井:奥多摩や丹波山、小菅など、都民に重要な”水”を注いでいるという事実は魅力というより使命に近い。安全な水に必要なのは自然を汚さないこと。そのために垣根なく協力しあえる関係性が、西多摩の未来の大きな課題でもあり、魅力だと思います。
柴田:毎日暮らす生活圏内に豊かな自然があること。何度も足を運べ、リピートできることで、子どもから大人まで、様々なことを自然から学べる点。
篠田:西多摩に生まれ育った者として、灯台下暗しで、まだまだ西多摩の魅力に気づけていないと思っている。だからこそ今の子どもたちには西多摩の良さや魅力を伝えていかなきゃ!っと日々考えています。
街プレ:将来あるべき西多摩の姿とは?
大井:まずは行動。「目の前のゴミを拾おう」。だけどできないんですよね。汚い、面倒くさい、カッコ悪い…から。優しさこそがこの世で一番カッコいい。そんな人ばかりの地域になってほしい。
柴田:観光客だけでなく、住んでいる人がもっと自然の中で遊び、地域に対して誇りを持てる、それを外から来る人に自信を持って伝え、共有することができる。そんな地域になっていくとよいですね。
篠田:何より「人」。「西多摩人(にしたまんちゅ)」を育てていくことって大事だと思うんです。今を良くしても、人が育っていかなければ必ず元に戻ってしまう。でも、西多摩人が育っていれば、輝かしい西多摩しか想像できない。そういう子どもたちの成長こそ最高のSDGsだと思ってるんです。
街プレ:皆さん、本日はありがとうございました!
SDGsアワード西多摩2022当日の詳細は本紙4・5ページで特集