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新型ディスポーザブル内視鏡導入
感染対策などで有効 需要高まる

東京西徳洲会病院 全国先行9施設として

東京西徳洲会病院(昭島市松原町、佐藤一彦院長)は、3月から国内でも使用可能となった新型ディスポーザブル(使い捨て)内視鏡(アンブ社製ガストロ)を導入した。全国で先行導入した9施設に選ばれたもので、同病院内視鏡センター(山本龍一センター長)では4月4日までに激しい出血患者の止血処置など3症例に使用した。

新型ディスポーザブル内視鏡を導入した東京西徳洲会病院。
佐藤院長(右から5 人目)らの期待も高い

ディスポーザブル内視鏡は3月から保険診療の適用となった。内視鏡は細長い管状の医療機器で、カメラや治療用の処置具を搭載する。これまで洗浄や滅菌を繰り返す再使用型が主流となってきた。ただ、新型コロナウイルス禍などで病院の感染対策が厳しくなるなど医療従事者の作業負担が増しており、滅菌の手間が省け、袋から取り出しすぐに使用できる使い捨て型のニーズが高まっている=左写真がアンブ社製ガストロ。緊急時の処置や高度な感染管理が求められる場面でも需要が増している。

使い捨て型は世界で初めて開発したデンマークの医療機器メーカーアンブ社が最大手。2 0 2 1 年は約150万本を販売し、日本国内でも展開する。使い捨て型の世界市場規模は急成長を遂げており、再使用型で世界トップにある日本の各医療機器メーカーも使い捨て型の開発、製造を急いでいる。

内視鏡センターは2017年4月から内視鏡光源を最新に一新。20年JCI取得に伴い内視鏡センター内の改修工事を行い、現在検査室4室(3室稼働)と最新の多目的デジタルX 線TV システム(Ultimax-i)を備えた専用の透視下内視鏡検査室1室で、内視鏡を使った検査や処置を行っている。受付事務2名、ステリ(内視鏡洗浄など)3名、臨床工学技士2名、看護師10名、内視鏡医9名とスタッフも充実。22年の内視鏡検査・処置の総件数は8149件にのぼるという。

人間ドックの内視鏡検査はもちろん、専門的治療として食道、胃、十二指腸、大腸に至るまで各臓器における内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、外科と合同で施行する腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)、胆管炎や閉塞性黄疸に対する内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、困難結石や良悪性鑑別目的に施行する経口胆道鏡スパイグラス超音波内視鏡(DS、EUS)を用いた穿刺吸引法(FNA)、Hot AXIOS システムを用いた瘻孔形成術、胆道ドレナージ(BD)などを日々施行する。また、緊急内視鏡処置は外科医師らの支援により夜間であっても行われている。

山本内視鏡センター長(47)は、01年に防衛医大を卒業。防衛省に勤務後、上尾中央総合病院、埼玉医科大学総合医療センターを経て、17年に東京西徳洲会の消化器内科に赴任した。現在、内視鏡センター長のほか、消化器病センター長、肝胆膵内科部長を兼務する。アメリカで毎年開かれる消化器に関する大規模な学会に論文を積極的に提出するなど研究分野にも注力している。

山本内視鏡センター長は「今年3月、佐藤一彦病院長が就任し、病院としてもセカンドステージに向かっている。病床数も486床から更に増床され 西東京、多摩地区の中核病院として前進する中、内視鏡外科のエキスパートである高山悟副院長が就任され、医療環境が強化されている」とした上で、「急性期病院である当院では時間外での緊急内視鏡やICUでのベッドサイドにおける内視鏡処置症例は増加傾向にある。革新的で使い勝手のよい新型ディスポーザブル内視鏡の導入は心強く、これまで出血性胃潰瘍や進行胃癌から出血された患者の止血処置などで使用した。今後はデータ解析を進め、学会の論文で報告し、臨床現場で役立てたい」と話す。

4月4日にはアンブ社の開発担当者が来院、内視鏡センター内を見学し、意見交換した。

来院したアンブ社開発担当を歓迎する山本内視鏡センター長(中)ら

コラム執筆者

編集室システムU

西多摩地域を中心とした東京25区管内の政治、行政、経済社会、トピックスなどを配信する「東京25ジャーナル」の編集室。
“地域の今”を切り取ります。

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