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東海大菅生ナインを裏で支え続けたバス運転手

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選手らは「夏の大会で恩返ししたい」

甲子園で善戦した選手たちと岡野さん(写真中央)

第95回記念選抜高校野球大会で東海大菅生は、九州王者の沖縄尚学を1対0で完封し、全国ベスト8入りを果たした。準々決勝でぶつかったのは大阪桐蔭。2年前の夏の甲子園で対決し、3点差を追う8回に、惜しくも降雨コールド負けた雪辱の相手だった。1対6で敗れたものの、全国強豪校に臆することなく立ち向かった選手たちへ、賞賛が集まった。

強さの要因の1つが、「全選手が一丸となるチームワーク」。仲間への細かな配慮でチームをけん引する渡部奏楽(そら)キャプテンを中心に、70人を越す部員が一枚岩となり、試合を経るごとに、強さが増していくという。春季大会は敗れたが、2023年夏の甲子園へ向け期待が高まる。

そんな西多摩から期待が集まる菅生ナインを、裏で支えてきた人物がいる。バス会社を定年退職後、同校の野球部のバス運転手を務めてきた岡野元春さんだ。練習試合や合宿での選手の送迎や、甲子園出場時は1人でバスで現地入りして、送迎も行った。日々の生活でも、選手たちの自転車が壊れれば、修理なども行い、「自分の子どもの様に接し、気軽に相談できる人」として、選手たちからも親しまれてきたという。今大会でも選手たちが敗退すると、涙をこぼした。

視力の衰えもあり今回の甲子園を最後に、引退を決めた岡野さん。大会終了後には、選手たちによる送迎会が催され、サプライズプレゼントとして、甲子園で勝利した際のウイニングボールとユニフォームが送られた。渡部キャプテンは「いつも笑顔で接してくれ勇気づけてもらった。夏の大会は応援に駆けつけてくれるはず。岡野さんが観てる中で優勝して恩返ししたいです」と話していた。

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