令和6年10月から開始される自動車の電子的な検査「OBD検査」をご存知の方はまだ少ない。性能が高まる自動車の安全性を保つには、これまでの車検のみでは対応できなくなっている.
急速に進化する自動車の性能
これまでの車検で検出できない不具合も
年々、車の性能は高まり、利便性も向上。衝突被害軽減ブレーキなどの自動運転技術は、高級車だけでなく、軽自動車を含む幅広い車の搭載が当たり前にもなってきた。安全面において期待が高まる一方、故障時には誤作動で、大きな事故にもつながる危険性がある。「高速道路で車間距離を自動に保つACC機能が突然停止し、強いブレーキが作動」「登り坂を走行中、自動ブレーキが誤作動を起こし、急減速」など、こうした不具合は、現在の車検では検出できない。こうした状況の中、国土交通省が出したのが「OBD検査」義務付けの実施だ。
だが車検を行う整備工場側の技術も伴う。車検のコバック青梅店では万全の「OBD検査」実施を考え、いち早く5月から導入を決めた。「全車種、OBD点検料2200円が加わる。単なる値上げではないこと。より安全なカーライフを守るための整備であること。これを、より多くの人に早めに知っておいてほしいんです」と同店スタッフは呼びかける。
「不慣れなうちに、少しでも体験し、知ってほしい」
進む電子化を前に、いち早く新システムを導入
また同じく国土交通省が実施している電子車検証や、車検システムの電子化(ワンストップサービス)の導入を決めた。現在、数多くの紙によって行われている車検申請等の手続きや納税確認システムを、インターネット上で行うことができるシステムだ。これにより自動車税の納税証明などが不要になるなどメリットがあるが、3300円が必要となる。ただこれはオンライン化によるシステム利用料だ。「もちろん今まで通り紙での申請も行いますが今後、急速に進むことが予想される電子化を前に、より多くの人に早めに体験し、知ってほしい。皆様が不慣れなうちから、色々な質問、疑問にも対応していきたい」と話す。
店舗としては、ギリギリまで価格をあげることはしたくないのが本音だろう。だが同店では急に変わってしまう仕組みで、利用者の混乱が予想される前に、いち早く取組を始めている。