市政に対峙し16年 元青梅市議 ひだ紀子さんに聞く①
市民の声がしっかり届く市政を
2007年に青梅市議に当選以来、4期16年間、市政と議会改革に対峙してきたひだ紀子さんに竹内市政と浜中市政を振り返ってもらい青梅市政の課題と議会のあるべき姿を聞いた。
(岡村信良)
市議として4期16年間 竹内市政、浜中市政を見てきた。評価は。
ひだ 竹内俊夫市長は計画行政の基本をやった。しっかりされたと思う。ご都合主義ではなく、計画に基づいて動き実現した。それは大変だったと思うし、評価する。私が訴えてきたことでは、非常に高コストだった電算処理委託を庁舎内で行い、オープンシステム化さらにクラウド化することを実現した。結果、約半分のコストで処理できる形になった。また、莫大な借金を作っている公共下水道の計画を見直し、成木地区は市設置型合併浄化槽による下水道整備になり、大きなコスト削減になった。環境保全も進んでいる。市の職員採用試験は数十年同じような形で、恣意的で不透明な部分が多かったが、改革の道筋を付けた。2018年から改革され、浜中市政になって採用試験が全国で受けられるようになり、縁故採用もできない形になったと思う。
竹内市政は地味だったが、議会に耳を傾けよくやったようだ。浜中市政については。
ひだ コロナ禍にあって、リーダーシップがなかったという印象が強い。ワクチン接種の取り組みは多摩地域で最悪だったと感じる。この中で市広報紙が4割、5割の世帯に届いていないという実態が分かった。周辺の自治体の多くは全戸配布している。青梅市も全戸配布をと訴えたが、踏み切らなかった。知恵をしぼればすぐできる。市の情報がすべての人に提供されなければ公平じゃない。困っている人に届かないことは問題で、市民としての一体感も作れない。
進まないワクチン接種への市民の不満は本当に大きかった。ひださんの市議16年間に目を向けると、政務活動費への厳しい視点が印象に残っている。
ひだ 市議になる前に1度、市議になってから2回監査請求をした。市長交際費・議員の政務活動費の不可思議な使い方を指摘し、返還させた。政務活動費の使い方、例えば軽自動車購入費に使うなどはまったくの公私混同、議員の意識が低いということ。今は議会事務局が目を光らせているが、目の届かないところもある。議会の体質も古く、儀式のようになっている。それでは決算の審議などできない。議会が変わる必要があり、それは議員がやるしかない。私自身の経験からも議会で行政側と互角に議論するには決算書を読めるようにするなど勉強が必要。一方で行政側が提出する資料だけでは本当のことは分からない。情報公開請求をして、議事録などを調べ、市の内部でどんなことが話されているのかを知ることで事実に近づき、より良いものにするための議論ができると思う。
お金と政治の問題に関係するが、口利きや補助金の使われ方などについては。
ひだ 議員の口利きについてはすべて記録するように求めたが、拒否された。また、補助金などの使われ方を見ると、補助団体によっては滅茶苦茶に審査が甘い実態がある。中には領収書が無くても通る場合がある。また、ある契約では利益供与としか思えないものもあった。公平じゃない。
(インタビューは次号に続きます)