橋本健司さんが自伝出版 波乱曲折の人生
秋川市・五日市町合併の発端エピソードも
パーク商事(あきる野市上代継)会長の橋本健司さんが1月16日、自伝「蒼天 秋留台地に生まれて」を地域紙の西の風新聞社(同市舘谷)から出版した。祖父、父から継いだ土地を元手に幾多の事業を起こし、奔走。地方政治、地元商工界でも影響力のある立場から地域の発展に尽くした波乱曲折の人生が綴られている。
自伝は、挑の章、絆の章、繋の章、政の章、創の章、結の章で構成。1934(昭和9)年に養蚕農家の長男として生まれ、高校卒業後、農業、養鶏業、ボウリング場、ショッピングセンター、宿泊業、飲食業、建設業などを展開。2015(平成27)年に事業を三女のゆかりさんに継承するまでを記した。1人の人間にこうも数々の出来事があるのかと驚く展開で、橋本さんの人生とともに、昭和、平成、令和の時代を回顧できる。
中でも創の章の「あきる野市合併」では、1995(平成7)年の秋川市、五日市町合併が事実上決まった発端が明かされていて、地域史の観点からも興味深い内容だ。
―「よう、合併すんべえじゃんかよ」。橋本健司氏の言葉に、臼井孝秋川市長は「合併しよう」と呼応。田中雅夫五日市町長が頷いた。平成大合併の先陣を切った新市誕生の瞬間だった。―(帯書きより)
橋本さんは「秋留台地に生まれ育ち、夢中で生きてきた私の足跡を子や孫に伝えたいと思った。成功もあったが、憂き目も見た。逆境の時に常に支えとなったのが、祖父母、父母への報恩感謝と家族を守りたい、幸せにしたいという純粋な願いだった」とプロローグに綴っている。
価格は1500円(税別)。