建て替えの半分の予算で終の住処を
正直工務店と胸を張れる仕事を
前回紹介したフルリノベーションの解体工事は3月中旬に始まった。
住まいは築30年以上を経過。工事は土台や柱をスケルトン状態にしてシロアリに荒らされてしまった所を交換して補強。構造体を現在よりも強固にするほか、間取りも変えて、古材が好きなご夫妻の希望に合ったデザインをホームクリエが創造するというもの。
解体するとシロアリ被害は見込みより軽微で、予算が抑えられる分を他の工事に回すことにした。リノベーション工事では、追加工事で当初の予算をオーバーする場合が多いが、ホームクリエは追加工事の請求を出さないように工事を進めていくのが本分。言うなれば正直工務店だ。
葉山にある古材業者にイチローさんが施主夫婦と何回も足を運び、ススで真っ黒になった梁などを揃えた。その梁を施主の奥さんが黒光りするまで磨き込んだ。土間に置く囲炉裏は施主が一生懸命、好みのものを探し当てた。解体工事も仕上がりの状態を考えながら、優しく時間をかけて進めていく。
「室内は黒と薄いベージュを基本に仕上げたい。黒い梁や柱、珪藻土の塗り壁。良い雰囲気になるはず」とイチローさん。施主と工務店の建物への愛着があふれるフルリノベーションは6月いっぱいを目安に完成を目指している。