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25journal 都市農業と中山間地農業 地域に適した対策を

執筆協力 編集室システムU okamura.nobuyoshi@gmail.com

都市農業と中山間地農業 地域に適した対策を

 6月に開催されたJAあきがわ総代会後の理事会で第5代代表理事組合長になった谷澤俊明さんに決意を聞いた。   (岡村信良)

進むべき道しっかり選択 JAあきがわ組合長 谷澤俊明さん

JAあきがわ新役員の皆さん。栗原保之常務、谷澤組合長、岡田正則専務、島﨑明広常務、井竹博監事(右から)

JAあきがわ新役員の皆さん。栗原保之常務、谷澤組合長、岡田正則専務、島﨑明広常務、井竹博監事(右から)

 新組合長として抱負を。

「6月開催の総代会は37回を数えた。前4代の組合長と組合員の皆さま、役職員が共に歩み、その回数は地域に必要とされるJAを築いてきた歴史と言える。これを更に発展させていきたい。ただ、農協を取り巻く環境は人口減と組合員の高齢化が進む中にある。JAあきがわの進むべき道をしっかり選択し、課題を乗り越え、進んでいきたい」

 JAあきがわの課題は。

「組合員の次の世代の人たちにJAの組合員になってもらうこと。地域の人たちにはJAあきがわを利用してもらうこと。より地域に密着したJAを目指したい。JAあきがわの管内になる秋川流域は都市農業と中山間地農業が混在した地域で、それぞれに適した最善の対策をとり、特性を活かしていきたい」

 コロナ禍を経て、地域に馴染みのJA行事も復活した。

「再開した行事はより多くの人に必要とされるものだと思う。7月3日に開催された五日市支店の盆踊りもそうで、絆の拠り所として人が集まり、そこに地域社会に大切なものが生まれている。8月21日には女性部主催で、大きな踊りの輪が呼び物の健康づくり大会が行われる。生き生きとした皆さんの顔に勇気がもらえる」

 JAあきがわの年金友の会や直売所については。

「年金口座は一般の人にもJAを利用してもらう大切なもので、利用者で組織する年金友の会の活動をしっかり支援していきたい。直売所も地域と大きな繋がりを持っている。新鮮な産物を求めて多くの人が利用している。生産物が売れれば、農業者も元気になる。所得が上がれば担い手も育つ」

 持続可能な東京農業の確立に向け、JAあきがわとしての取り組みは。

「管内は農業振興地域が多いのが特徴になる。生産物は主に直売所へ出荷される。直売所は重要で、建て替えが課題になっている秋川ファーマーズセンターについては行政と連携を取り、進めていきたい」

 JAあきがわは生産物のブランド化も進んでいる。

「五日市のらぼう菜、秋川とうもろこし、日の出トマト、檜原じゃがいもが知られるところだ。加工品も手掛けられ、のうぼう菜の即席みそ汁、とうもろこし焼酎、最近では若手の農業者がシナチクの生産に取り組んでいる。とうもろこしのピューレやムースづくりも始まっている」

 地元自治体は観光誘致に力を入れている。

「とうもろこしやイチゴ、のらぼう菜の収穫体験など観光農業に目を向け育てて、農業者の収益を上げたい」

 生まれ育った秋川流域の魅力をアピールしてほしい。

「恵まれた豊かな自然の中の暮らしが当たり前と思ってきたが、社会人になり、一時期あきる野市を離れ、30年前に戻ったとき、市街地は大きく変わり驚いた。一方で素晴らしい自然はまだまだ残り、秋留台地に広がる畑の景色は変わらない。農業を守っていくことでこうした素晴らしいものも守られると強く感じる」

 

コラム執筆者

編集室システムU

西多摩地域を中心とした東京25区管内の政治、行政、経済社会、トピックスなどを配信する「東京25ジャーナル」の編集室。
“地域の今”を切り取ります。

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