大物歌手が続々 地域の夏の風物詩
あきる野市網代の特別養護老人ホーム福楽園(鈴木博紀理事長)は地域に開かれ、行事・レクレーションを大切にする施設。中でも記者の思い出に残るのが2019年まで開催してきた納涼祭。2020年からはコロナ禍で見送られ、近年は酷暑で行事が見直された。 (岡村信良)
あきる野の福楽園
納涼祭は、大物歌手が毎年訪れ、やぐらをステージに歌謡ショーを展開。近郷近在に知れわたり、地域の夏の風物詩となっていた。その舞台を整えたのが、芸能界にもパイプを持つ2023年に理事長を勇退した鈴木敏男さんだった。
1988(昭和63)年5月22日付の秋川新聞がある。2面に「歌と万才のチャリティーショー」(原文)の見出しで、創業20周年を迎えた五日市電子工業が町民会館で謝恩を兼ね、ショーを開く記事が載っている。
出演は歌手の岡ゆう子さん、林家ペー・パー子さん、ほかに女優1人、歌手1人が紹介され、福生市で行われた全国レベルのカラオケ大会でグランプリに輝いた森田喜久さんとNHKのど自慢チャンピオングランド大会に出場した久保田光広さんの名前もある。五日市電子工業は敏男さんが経営してきたものだ。
同園は1999年に開園し、昨年25周年を迎えた。納涼祭は開園まもなく始まり、招待歌手には大月みやこさんや五月みどりさん、長山洋子さんらが名を連ねる。ご当地ソングの曲数日本一の歌手となっていた岡さんも呼ばれ、交流が続いてきた。
2019年の最後の納涼祭を飾ったのが冠二郎さん。今年1月鬼籍に入るまで、納涼祭には複数回出演。ヒット曲の「炎」や「旅の終わりに」などを披露した。
2014年には園歌「福楽のうた」を製作した。「歌と踊りを通し入所者や家族のみなさん、地域の人たちが楽しい時間を過ごしてくれたら」が敏男さんの思いだった。