普化宗の歴史を刻む鈴法寺跡
かつては共同井戸も 地域に水供給
鈴法寺は普化宗(ふけしゅう)の寺。普化宗は中国の唐の時代に始まる禅宗の一派。宗徒が虚無僧姿をしていることで知られる。
同寺は1613(慶長18)年に新町開拓に当たった吉野織部之助が川越から移転させ、その後は全国120カ寺の根本道場として栄えた。だが、1871(明治4)年に普化宗が廃宗になり、同寺も廃寺になった。 寺の前を東西に走る青梅街道は1975(昭和50)年に拡幅工事が完成。その際、地域住民に水を供給してきた組合が管理する井戸も移設された。
地域の発展とともに交通量が増加。事故も増え、半世紀ほど前から同祈願祭を実施してきた。
祈願祭は虚無僧の尺八演奏の後、同寺の扁額を預かる地元東禅寺の滝本豊洋住職の読経に合わせ列席者らが線香を上げ、供養をし、安全を願った。
山下会長は「地域住民の安全が第一。地元の歴史にふれる行事を大切にしていきたい」と話した。