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朝食はお家でしっかりと?

朝の食卓の様子

朝の食卓の様子

「朝食はお家でしっかりと」一昔前の保育所や学校では当たり前のように耳にしていた。しかし現代では、本当にその〝当たり前〞がどの家庭にも当てはまるのだろうか。

保育所を開所して7年。たった7年だが、〝子どもの最善の利益とは〞を念頭に置きながら暮らしていると、今までの固定概念が必ずしも本当なのかと考えさせられることがある。例えば、7時登園の0歳児Rちゃんは家を出るのは6時半。眠気眼でご飯を食べようとしても、中々食べられない。次第に保育所にお弁当を持参して食べるようになり、同じく7時登園の3歳児の友達と一緒に、早番の保育者にのんびりお手伝いをしてもらうようになった。5年経った今、年長になったRちゃんは、0才児の子が食べていると、自然とお手伝いをする姿が見える。

また、保育所の送迎がしんどく休みがちだった5歳児K君は、朝コンビニで食べたいものを買ってから登園するようになってから、『今日はポケモンパン!』と朝ごはんを楽しみに登園するように。そして、いつの間にか、1日も休まなくなった。また、今年入所したA君は朝1時間もの間、保育士の膝に座りゆっくりお弁当を食べていた。そんな毎日を2カ月続ける間に、いつの間にか家で食べてくる機会が多くなり、それと同時に膝に座る時間と回数が減ってきた。「朝食はお家でしっかりと」は正論だ。しかし、この正論がかえって一部の家庭では空回りをさせてしまう要素になってしまっているような気がした。

一般的な常識や知識は私たち専門職には大切な事だ。しかし、どのような環境がその子の最善の利益なのかというのは、世間一般的な常識を一旦とっぱらって、その子を感じ、その家族を感じ、試行錯誤していくことで知らずに見えてくるものなのかな、と考えている今日この頃である。

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