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石原さとみさんの歓喜、一転コロナ禍 羽村市聖火リハから5年

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石原さとみさんの歓喜、一転コロナ禍 羽村市聖火リハから5年

2020年2月15日、東京オリンピック2020に向け、全国に先駆け羽村市で聖火リレーのリハーサルが行われた。沿道を市民が埋める中、俳優の石原さとみさんが聖火ランナーを務め、大歓声を浴びた。

前羽村市長の並木心さんは今でも同市役所前の通りを歩くと、あの日の人のざわめきと高揚が鮮明に浮かび上がるという。

ランナーの前後には、スポンサー企業や警察、運営側の車両が1キロ以上にわたって並んだ。沿道には警備員が配置され、周囲では交通規制が敷かれた。ランナー4人が約200メートルずつ試走。運営や警備での課題を確認し、7月13日の本番につなげるはずだった。

だが、その後は本番の聖火リレーはなく、世界は出口の見えないコロナ禍に置かれた。

並木さんは、リハーサルの盛り上がりがすごかった分、光の世界から闇の世界に変わったという大きな落差を感じた。

学校は2月28日から春季休業前まで全国一斉休校になった。小池都知事が3密、ホームステイを呼びかけ、飲食店は休業、街に人の姿が消えた。オリンピックは1年延期になった。

行政、医療機関は発熱外来の設置に追われ、混乱をきたした。ニュースは連日、感染者の増加数を発表。落ち着きが見えた7月、観光業界を支援するGoTo トラベル事業が始まった。感染者数が増減を繰り返す中、同事業は名称を変え、3年余り続いた。

21 年5月からワクチン接種が始まった。変異を繰り返す新型コロナウイルスに対し、ワクチンはその都度対応。WHOは23年5月に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了した。

並木さんはコロナ禍の最初の1年を市長として対応に当たった。オリンピック本番は無観客となった。あのリハーサルの盛り上がりを思うとコロナが恨めしいという気持ちでいっぱいになるという。

聖火ランナーを務めた石原さん(羽村市市役所前)

聖火ランナーを務めた石原さん(羽村市市役所前)

スタート地点で取材を受ける並木さん(左)

スタート地点で取材を受ける並木さん(左)

 

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