奥多摩の小河内から、西多摩の魅力、お届けします
釣り人が守る水辺の未来

当日は30人以上が参加した
アングラーズ クリーン アッププロジェクト2025 東京・奥多摩
5月18日、東京都・奥多摩町の峰谷川にて「アングラーズ クリーン アップ プロジェクト2025」が実施されました。釣り人が自ら主導する環境保全活動として全国で1500人以上が参加するプロジェクトの一環であり、東京開催は今回が2回目となります。
この日は天候にも恵まれ、新緑の中、首都圏や地元から30名以上の参加者が集まり、川沿いの清掃を行いました。
主催は、アングラーズマイスターである菅原和利さんと外山将平さん。菅原さんは東京森と市庭のCOOであり、「ツリトシ」としても活動中(OBC広報担当でもあります)。外山さんは静岡県出身の俳優で、釣りプロとしても知られています。
「アングラーズマイスター」とは、釣りを通じた自然体験の普及や環境保全活動を推進する担い手として、釣りSNSを運営するアプリ運営会社アングラーズが認定する制度であり、全国の釣り人の中から選ばれた実践者たちが名を連ねています。
菅原さんは「ゴミを拾うことも大切ですが、水辺の価値を高めていくことが大事」と話します。特に今回は親子連れの参加も多く、自然とふれあう体験を通して環境への関心を育む場にもなっていました。
また、清掃中に多く見つかったのが、釣り糸の切れ端やエサの空箱といった「釣り人でなければ気づきにくいゴミ」です。参加者の多くが釣り人であることもあり、「自分たちだからこそ気づき、拾えるゴミがある」という意識の共有が自然と生まれていたのですね。

集められたごみ
プロジェクトには釣具メーカーDAIWA(ダイワ)を初めとした多くの企業が協賛。企業として環境保全に関わる姿勢が、個人の活動と連携する形で現場に反映されていました。
僕も当日、自分の子どもと一緒に参加しましたが、子どもたちは川遊びに夢中。僕も見守るのが精一杯でした。

子どもたちは川遊び
それでも、主催者から否定的な言葉は一切ありません。子どもたちが自然に触れることそのものが、この活動の目的の一部であるという考え方が現場に共有されていたんだなと感じました。
清掃後には、ごみの分別と計量、そして参加者全体での振り返りも行われました。特に「一度拾ってみると、その後も自然とごみに目が行くようになる」という声が複数の参加者から聞かれたのが印象的でした。
最後に菅原和利さんからの熱い想いをお伝えしたいと思います。
「奥多摩は、都市部からもアクセスが良く、アウトドア目的の来訪者も多い地域です。観光地としての魅力を維持しながら、自然環境を守っていくには、訪れる一人ひとりの意識が鍵になります。そこで、自然を『使わせてもらう』という意識が重要になるんだと思います。このプロジェクトは、『自然の中で楽しむ』という立場にある人間が、『自然に対して何ができるか』を具体的な行動として考えるきっかけを与えてくれる場となっていました。個人、企業、地域がそれぞれの立場で協力し、小さな行動を積み重ねること、そこに未来への希望があるはずです」