西多摩地域を繋げるニュースサイト 街プレ -東京・西多摩の地域情報サイト- 西多摩版(青梅市・福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村)
新着記事

多摩27自治体、避難者名簿を統一 自治体の垣根越えた「多摩方式」

地域

多摩27自治体、避難者名簿を統一 自治体の垣根越えた「多摩方式」

多摩地域26市と日の出町の27自治体が、災害時の避難者情報を自治体の垣根を越えて共有する「避難者名簿の統一」に乗り出した。9月29日、都庁記者クラブで合同記者会見を開き、取り組みの経緯や今後の展望を説明した。

約420万人が暮らす多摩地域では今回、27自治体がそれぞれ使用してきた避難者名簿の様式を共通化。災害時に住民がどの自治体の避難所に避難しても、情報を共有できる体制づくりを進める。基礎自治体が多数連携して避難者名簿の様式を統一する取り組みとなり、全国初としている。

背景には、2024年の能登半島地震で浮き彫りになった避難者情報の把握・共有の課題がある。避難者名簿を紙で作成した場合、避難所内での利用にとどまり、支援機関などと情報を共有する際には、表計算ソフトなどへの再入力が必要になる。また、氏名の表記や元号などの入力方法が統一されていないことから、同一人物の特定が難しくなるケースもあったという。

さらに、大規模災害では住民が指定避難所だけに避難するとは限らない。自宅や車中、他自治体の避難所、知人・親族宅など、避難先が広域にわたる可能性がある。こうした状況を踏まえ、自治体単独ではなく、広域で避難者の居場所や状況を把握・共有できる仕組みが求められていた。

取り組みの端緒は2024年。調布市など4市が課題を共有し、「まずできることから」と検討を開始。今年5月には、26市1町の防災担当部門などの職員が参加する「避難者情報共有検討会」を設置した。議論を重ね、今回、共通の避難者名簿を整備する最初の成果につなげた。

会見では、東京都市長会会長を務める福生市の加藤育男市長が「一つの自治体だけでは実現できない取り組みを、相互の信頼と協力により形にすることができた」と説明。今後は名簿の統一にとどまらず、入力ルールやデータ管理方法の共通化、避難者情報のデジタル化を進める考えを示した。

現在はデジタル化に向けたシステムの実証も進めており、実用化すれば、災害時に27自治体間で避難者情報を迅速に共有できるようになる。災害関連死の防止や、避難者の状況に応じた支援への活用も期待される。

福生市では10月4日に行った「福生市総合防災訓練」で、システムを一部会場で試験的に使用した。東京都も昨年度から取り組みに参画しており、今後、都が構築する被災者情報管理システムとの連携を進める。

記者会見する東京都市長会会長の加藤市長(右から3 人目)ら

記者会見する東京都市長会会長の加藤市長(右から3 人目)ら

Copyright© 街プレ -東京・西多摩の地域情報サイト- , 2026 All Rights Reserved Powered by STINGER.