本年の「西多摩と周辺の自然と歴史を巡る旅」新規コース第7弾は、「東村山の自然、歴史、文化めぐり」。10月21日と23日に合わせて57名の参加者で開催した。街プレ倶楽部初の本格的な西多摩外での散策企画である。
東村山は律令時代に東山道武蔵路が南北に貫き、中世にはそれをなぞる形で鎌倉街道が通った。狭山丘陵の東端で、且つ、かつての入間郡から久米川を渡って多摩郡に入った最初の場所という交通の要所で、しばしば戦いの舞台となった場所でもある。
東村山は始めてという参加者が多く、このような歴史ある場所であることを初めて知ったという声が聞こえた(正福寺地蔵堂、徳蔵寺板碑保存館、久米川古戦場、将軍塚)。ふるさと歴史館で東山道武蔵路の写真を示された時は、その予想外の大きさに驚きの声が一斉に上がった。参加者からは、充実した展示内容に驚いた(ふるさと歴史館、八国山たいけんの里)、縄文時代のものとは見えない(漆塗り弓)、良い所・また来たい(八国山緑地、廻田緑道)、美しい生垣の旧家が並ぶ風景は独特、という感動の声が聞こえた。
西多摩周辺の自然と歴史を巡る旅東村山の自然、歴史、文化めぐり
狭山丘陵の東端に当たる東村山、「となりのトトロ」で知られる「八国山」と呼ばれる自然豊かな雑木林が広がる。律令時代は東山道武蔵路が南北に貫け、鎌倉時代は武蔵路をなぞる形で鎌倉街道が通るなど、古からの交通の要所。久米川宿と呼ばれた宿もあった。討幕を目指す新田義貞と鎌倉幕府軍との戦いなど、しばしば、歴史の舞台となった場所である。多くの遺跡、寺社が点在し、貴重な板碑も残されている。
スタート 東村山駅
・東村山ふるさと歴史館 東村山という地の理解に便利
・徳蔵寺 板碑保存館 全国でも珍しい板碑保存館。2百店近くを転じ。
・元弘の板碑 国の重要文化財 太平記の新田義貞による鎌倉幕府討幕の記述を裏付けた。
・久米川古戦場跡 新田義貞VS鎌倉幕府、足利尊氏VS南朝方など、幾多の戦場となった場所。
・将軍塚 新田義貞が陣を構えた場所 久米川の戦いで新田義貞が指揮を執った場所といわれる。元弘の板碑はこの近くに立っていた。
・八国山緑地 「となりのトトロ」のモデルになったといわれる狭山広陵の東端・日本の原風景といえる雑木林が広がり、絶好な散策路が続く。
・八国山たいけんの里
・縄文時代の漆塗り木製品 近くの「下宅部遺跡」の出土品を多く展示。高度な漆文化があったことを示す。
ランチは自家農園の野菜を使う中国料理「一翠」で バラエティーランチ
・廻田緑道 まっすぐに続く枕木の小径 地下には狭山湖(山口貯水池)から東村山
浄水場までの導水管が通っている
・応永板碑
ゴール 武蔵大和駅
心の風景
東京都唯一の国宝木造建造物「正福寺地蔵堂」(東村山)
東京都唯一の国宝木造建造物が東村山市にある。正福寺地蔵堂だ。
正福寺地蔵堂は、よく知られた鎌倉の円覚寺舎利殿(神奈川県唯一の国宝建造物)と瓜二つの建物。共に室町時代禅宗様の代表的建造物である。反り上がった屋根、その下の裳階(もこし)、その間の扇垂木、弓欄間、花頭窓や桟唐戸などが特徴。床は土間。
かつて教科書などで、鎌倉時代の代表的建物として、東大寺南大門(天笠様)と円覚寺舎利殿(唐様)の二つを教わった記憶がある方も多いであろう。正福寺地蔵堂は寺伝では北条問い旨が鷹狩りの折り罹った病が、夢枕に現れた地蔵菩薩のマルクスリで治癒したことで、寄進されたとされ、鎌倉時代のものと考えていた。が、昭和9年の改修の際発見された墨書芽依により、室町時代応永14年の建立と判明した。このことが、円覚寺舎利殿の建築時期推定にも影響したとされる。
円覚寺舎利殿は近くで見ることはできないが、正福寺地蔵堂はいつでも近くでその美しい姿を見ることができる。堂内も8月8日、9月24日、11月3日に公開される。
開催日:10月21日(水)23日(金)2回 雨天中止
定員:20名
集合:西武線東村山西口9:00(霊:拝島駅8:25発、小川駅乗換)
解散:西武線武蔵大和駅15:00頃
コース:全長7.0km
ランチ:中国一翠で「バラエティーランチ」
参加費:3000円(ランチ、入館料、保険料、ガイド料等)