~東京の森から~東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
山仕事の正月「山の神」
安全祈願と仲間との交流を深める
山仕事の正月ともいえるのが1月17日の「山の神」。2014年公開の林業映画「WOOD JOB」にも出てきてましたが、果たして山の神とは?
地域によって差があるのですが、東京・檜原村ではこういわれています。
「山の神」は神様が山の木の数を数える日。だからこの日に山に入ると、木と間違えてカウントされてしまい、つまり、木と認識されてしまうので、2度と戻ってこれない。
だからこの日は、山仕事はお休みです。地元の神社に安全祈願のお参りをし、その後は新年会として皆でお酒を飲むのが通例です。昔は決まった休日もなく、年中働いていたので、年に1回皆で集まり親交を深める日が必要だったこともあるのでしょう。
弊社ではまず時坂地区にある社有林で全社員・スタッフによる安全祈願をします。その後、現場のメンバーを中心に三都郷地区の大嶽神社へ。大嶽神社は霊峰・大岳山に本社を置き、かつてから山岳信仰があった神社です。ここでは、日頃から親交のある山仕事の先輩や仲間と合同でお参りします。
このあと集まったメンバー全員で新年会となるのがいつもなのですが、昨年来の新型コロナ感染症の影響で中止。少し物足りない感じでしたが、お弁当をいただき解散となりました。
また、神様は変わったことを嫌うといいます(この日に限らず)。たとえば、道があるのに道を歩かない。草を刈るのに鎌を使わない、など。
こういう当たり前とされることと違うことをすると、神様に嫌われ、場合によっては殺されてしまうとも。
これも現場の安全を考えると、すっと入ってくるもの。きちんとした服装で、決まった場所を歩き、決まった道具を使わないと危険だから。急斜面に立って、数百㌔もある木を取り扱う仕事では、当たり前のことをしないと事故につながります。場合によっては亡くなることにも。山ではきちんとしなさいという戒めになっているのでしょう。
年に1度、仕事に真摯に対峙できる「山の神」。いい1日です。