香るシクラメンも
東京生まれの特産物は大人気のトウキョウXのほかにもたくさんある。東京しゃもや東京うこっけい、甘柿の東京紅、香りの高いシクラメンとして人気が出始めているさわや香ミディなど、都農林総合試験研究センターで研究が重ねられ生まれたものだ。
昔から鍋料理などに使われてきたシャモに、他の品種を掛け合わせ肉の味にこだわったのが東京しゃも。都内で毎年2万羽ほど生産され、鶏料理専門店などに出荷されている。
東京うこっけいは都内各地で飼育され、卵が直売形式を主体に販売されている。うこっけいは年間50個ほどしか卵を生まないが、東京うこっけいは改良の末、190個ほどまで産むようにし、生産農家の収益性を高めた。
東京紅の収穫期は次郎や富有にくらべ10日ほど早い。他の甘柿が小売店に出回る前に収穫できるので、都内での直売に適しているという。甘味も多い。
小椋桂さんが作詞・作曲した「シクラメンのかほり」のヒットで、香りの高いシクラメンの研究が進み誕生したのがさわや香ミディ。園芸品種と香りの良い原種シクラメン(プルプラスセンス)との交配で生まれた。
シクラメンは冬を過ぎたら枯れてしまうものと思っている人が多いが、同原種は東京の暑さや寒さに耐えて、秋から冬にかけて小さく可愛らしい花をたくさん咲かせる。