第56回内田農業功労章
緑綬功労章に
松永さん、藤本さん、野口さん
一般財団法人内田農業振興会の第56回功労者表彰式が11月22日、府中市の大國魂神社で行われ、西多摩から青梅市の松永幸治さん(74)、瑞穂町の藤本昇さん(69)、日の出町の野口隆昭さん(66)が緑綬功労章に輝いた。
同功労章は故内田秀五郎翁の農業への熱意を受け継ぎ、農業の振興に功労のあった人たちに贈られるもので、2022年度は緑綬功労章を13人、紫綬功労章を15人が受章した。
松永さんは学校を卒業後、家業の酪農と山林苗の生産に精力的に取り組んできた。1970年代後半から都市化の波が押し寄せる中で酪農を終了し、山林苗と合わせ植木苗を手掛けた。良質な苗木は各共進会で度々、都知事賞を射止めた。
その後は野菜生産に専念。「百姓は毎年1年生だ」と言われたことを肝に銘じ、工夫を凝らし質の良い野菜を生産。「消費者から『ここで作る野菜が一番おいしい』と言われることが最高の褒美だ」と話している。
藤本さんは19歳から家業の製茶業に従事。半世紀に渡り、特産の狭山茶の生産に携わってきた。77年ごろから新茶の早出しに取り組み、4月末ごろに商品として市場出荷するなど販売拡大にも貢献した。
都や関東ブロックなどの品評会では高い評価をもらい、何度となく都知事賞、農林水産大臣賞などに輝いた。90年度には企業的農業経営顕彰を受賞している。07年から13年間、東京狭山茶農業協同組合長を務め、狭山茶の発展に貢献した。
野口さんは500年続く農家の長男。家業を継ぐことは決めていたが、大学の理工学部に進み、卒業後は建築会社に入社。一級土木施工管理技士として活躍した。35歳のとき、父親が病に倒れ、本格的に就農。トマトのビニールハウス栽培に力を入れ、安心安全な農作物の栽培に専念。2018年には東京都GAPを認証取得した。
現在、トマトを3600本栽培するほか、町の新たな特産品を目指し、パッションフルーツの生産に力を入れている。(東京25ジャーナル)