執筆協力 編集室システムU okamura.nobuyoshi@gmail.com
庁舎機能を市役所本庁舎に集約 コミュニティセンター廃止

長寿命化を図り、庁舎機能を市役所本庁舎に集約
羽村市が「公共施設再配置構想」のたたき台をまとめ公表した。9月30日から市民と意見交換する懇談会を市内各地で6回開催。市民の意見・提案を10月31日まで求めていく。寄せられた意見・提案を検討し、2026年1月にパブリックコメントを実施した上で、同年3月に「羽村市公共施設再配置構想」を策定する方針だ。
施設総量の縮減と適正配置を実現していくもので、たたき台では市庁舎、集会施設、学校、福祉施設など分類別に、長寿命化を基本に廃止や統合などの方向性を示した。
市役所本庁舎は長寿命化を図り、長期的に維持していく。市役所分庁舎、羽村駅西口土地区画整理事務所、市役所西分室の建物は順次廃止し、庁舎機能を市役所本庁舎に集約する。
コミュニティセンターを廃止し、貸室機能を「ゆとろぎ」や地域集会施設等の類似施設で代替していく。23ある地域集会施設を10施設程度に統合し、市民が利用しやすく維持していく。
児童・生徒数の減少により将来的に小学校2校、中学校2校程度への再編が想定されるとし、松林小学校と武蔵野小学校を統合し、校舎は武蔵野小学校を使用。羽村第三中学校と羽村第二中学校を統合し、校舎は羽村第二中学校を使用する。
市民の需要が高く、利用率も高いスポーツセンターとスイミングセンターは、市民のスポーツ拠点として長寿命化を図り、長期的に維持していく。
西児童館、東児童館を長期的に維持し、中央児童館を廃止する。
福祉センターは地域福祉の拠点として長期的に維持していく。障害者就労支援センターエールは福祉センター内に移転する。
平日夜間急患センターは廃止も含めた運営の見直しを行い、運営を継続する場合は、保健センター内で実施する。
「ゆとろぎ」、図書館、郷土博物館を社会教育施設の拠点として維持し、大規模改修工事など適切な保全を実施していく。小作台図書室については廃止し、機能の一部を西児童館の図書コーナーにより代替する。産業福祉センターは、改築もしくは長寿命化改修により、産業振興機能や他の公共用途と の複合化などの整備を検討していく。
富士見斎場は死亡推計人口のピークを目途に当面維持していくが、利用状況と、瑞穂斎場や民間斎場の状況を見ながら、廃止時期を検討していく。
同市では、昭和40〜50年代に人口増加や市民生活向上のために多数の公共施設を整備。また合併に伴って旧町村から多くの公共施設を引き継いでいる。 市内の公共施設は、815施設2082棟で、延床面積154万平方㍍になる。
市では今後40年間に必要な改修更新費用は総額5858億円、1年あたり146・5億円と試算。これは過去5年間の投資的経費の平均額である約83.1億円の1.8倍となる。一方で人口減少などにより、税収減も想定されている。公共施設マネジメントは、こうした現状を踏まえ、全市的・総合的な視点で見直しを行うものとしている。