青梅商工会議所・中村会頭が進める次世代の地域産業振興
データ活用と半導体関連企業に注目
青梅商工会議所(青梅市上町)が、データ分析やデジタル技術の活用を取り入れた地域振興に取り組んでいる。2022年11月に第8代会頭に就任した青梅ガス(青梅市新町)の代表取締役社長・中村洋介さんは、「製造業を起点とした地域経済の好循環」を掲げる。地域経済の好循環には「地域外から稼ぐ力」を高めることが不可欠であり、地域に集積する半導体製造装置や先端分野に関わる技術力を持った製造業などがその一翼を担うと期待する。

デジタル活用を推進する中村会頭
データを活用し地域経済を可視化
中村会頭の取り組みの一つが、副会頭時代に策定した「3カ年中期計画」。従来の経験や勘だけに頼るのではなく、地域経済分析ツールなどを活用して青梅市の産業構造を分析し、地域経済の強みや課題を把握する取り組みを進めた。
「地域の持続的な発展には、地域経済の好循環が不可欠」と話す中村会頭。地域内で生み出された経済がどのように循環しているのかを分析し、会員企業同士の域内取引の活性化にもつなげようとしている。
半導体・医療分野を支える青梅のものづくり企業
青梅の製造業には、半導体関連をはじめとする先端分野で技術力を発揮する企業がある。
武州工業(末広町)は、「良い設計、良い流れ」を指向したモノづくり技術で、自動車部品や医療機器部品などを手がける。さらに、そのノウハウを「武州テック」としてサービス化し、他社に展開する事業にも取り組んでいる。
羽村市に本社を置くNISSYO(旧・日昭工業)は、半導体製造装置向けの電源機器などを手がける。「データドリブン経営」を標榜し、データ活用による現場改善と業務の最適化を推進している。
指田製作所(今井)は、精密機械加工を得意とし、半導体製造装置や理化学機器の部品を製造するとともに、医療機器の組立にも対応するなど、バランスの良い事業を展開している。
クボプラ(長淵)は、プラスチック加工を専門とする企業。スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)などの精密切削加工や手加工にも対応し、半導体製造装置の部品製造にも進出している。
こうした企業の技術や仕事を地域に知ってもらう場となっているのが、同会議所が主催する「おうめオープンファクトリー」だ。普段は企業間取引を中心とするものづくり企業が工場や技術を公開することで、地域住民らデジタル活用をに青梅の産業を知ってもらい、次世代の担い手や地域との接点をつくる機会にもなっている。
「身の丈IT」から始まったデジタル化
中村会頭のデジタル活用への取り組みには、青梅ガスでの経験も生かされている。大規模なシステムを一度に導入するのではなく、自社の規模や業務に合わせた「身の丈IT」を意識しながら、クラウド環境の整備などを進めてきた。
地域経済のデータを分析し、企業同士の取引を促す一方、青梅が培ってきたものづくりの技術を次世代へつなぐ。デジタルとリアルの双方から地域産業の活性化を目指す中村会頭。「持続的な賃上げができ、希望の持てる地域経済へ」。中村会頭が描く地域経済の好循環に向け、青梅商工会議所の取り組みが進んでいる。
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