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「昭和史の隠れたドン 唐獅子牡丹・飛田東山」発刊

地域

戦中、戦後、西多摩の土木、観光開発に功績

小河内ダムの建設など戦中、戦後、西多摩の土木建設工事や観光開発などで大きな足跡を残した飛田東山(本名・勝造)の人物像を明かす「昭和史の隠れたドン 唐獅子牡丹・飛田東山」(新葉館出版)が先月発刊された。著者は西まさる氏。多くの資料に当たり書き下ろしたノンフィクションだ。

東山は茨城県大洗市出身。下層労働者の側に立ち、社団法人扶桑会を結成し、労働環境改善に尽力した。戦時中、同会を率いて地下工場や松代大本営を建設。小河内ダム建設工事の人材確保に携わった。戦後、青梅市に身を寄せてからは、川井玉堂や吉川英治らと青梅、奥多摩の観光開発にも力を注いだ。

交友関係は多岐にわたり、東山邸には岸信介、大野伴睦、中曽根康弘といった大物政治家や渋沢敬三、堀田庄三ら財界人も訪れた。文化人では吉川、川合のほか、尾崎秀樹や尾崎士郎、村田英雄、高倉健らと交友があった。

東山の元には国家の未来を左右する重大な相談事が持ち込まれたりもしたという。奥多摩周辺には東山の足跡が各地に刻まれており、青梅市御岳や柳沢峠などに史碑がある。

だが、歴史の表舞台では影が薄い。むしろ消えている。著書では誰も書かなかった、書けなかった東山の謎が解き明かされる。

在りし日の東山を知る石塚幸右衛門前瑞穂町長は「小柄だが大きな人に見えた。関係首長を集め、圏央道構想をぶち上げたのも東山先生だった。スケールの大きな人だった」と話している。

全国の書店やアマゾンなどネット書店で求められる。定価1500 円。(提供:西の風新聞)

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