五輪は国と国民を元気にする
琴河原学園理事長 吉田宏さん(79) 青梅市 東京五輪で記録写真を担当 貴重な資料も大切に保存
政府が13日、2020年夏季五輪の東京招致を閣議了解した。国による支援態勢が順調に整い、招致委員会は、国際オリンピック委員会に対しても大きなアピールになると歓迎している。
2016年の招致ではリオデジャネイロに破れ落選した。青梅市河辺町の吉田宏さん(79)はこのとき本当に残念に思ったという。「五輪は国と国民を元気にする。活気が出る。失われた時代が続き、大震災に見舞われた日本で五輪を開く意義は大きい」とうなずく。
1964年の東京五輪のとき、吉田さんは31歳だった。義兄の今仁真喜雄さんが日本クレー射撃協会の理事長を務めていたことなどからクレー射撃競技の記録写真を任された。競技はもちろん練習、食事などの日常風景も撮った。その数は260 0 枚に及んだ。
開会式では国立競技場を駆けずり回り、感動のシーンを追いかけた。聖火や五輪旗が入場したときのスタンドの盛り上がりは今も脳裏に鮮明だ。感動を忘れまいと競技を伝える新聞も集め、大事に保管してきた。
「招致を成功させるには国民の盛り上がりが大事。私のように記録写真を撮っていた人に呼びかけ、東京五輪の写真展を開くなど関心を高める活動も必要です」とアイデアを出す。五輪が日本復活の起爆剤になればと願う。(琴河原学園理事長)