~東京の森から~ 東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
循環型林業、はじめの1歩
わたしたち東京チェンソーズ、最近は埋もれた木を掘り出したり、枝葉をまるめて転がしたりしております。すばらしい陽気が続いていますが、底のほうには湿った木や土が潜み、それを引っこ抜いた途端、顔面に真っ黒でひんやりしたものが飛び散るという有様。
何をやっているのかというと、これは地拵えという作業の真っ最中なのです。
林業のサイクルを簡単に表すとこうなります。 植栽 下刈り 枝打ち・間伐 主伐。
はじめの植栽から主伐まで、早くて50年。80年、100年オーバーというケースもあります。主伐のあと、ふたたび植栽に戻り、このサイクルを繰り返します。悠久というには大げさですが、それなりにスケールがあるものです。たいていの場合、主伐(いわば収穫です)の現場に、植栽した人間は関われません。人間は途中で代替わりです。
主伐のあと、山はいったん禿山となります。いままで緑だった山が、遠目には茶色一色。何か、よろしくないなーと感じる光景なのですが、その期間は長くなく、次の春には新たな植栽が始まります。
伐ったら、また植える。林業が循環型産業といわれるのは、このためです。
地拵えは、植栽の前に、その準備として行なう作業です。苗木を植えるスペースを確保するために、主伐のあと、山に残された枝葉や、ときどきある丸太などの大物を片づけるのです。
作業はまず、杭づくりから始まります。材料はもちろん、現地調達。地拵えが必要となる現場には、杭にしやすい細い木がたいてい転がっています。それをチェンソーを使って先を尖らせ杭とし、かけやで打ち込むのです。
そこへ枝葉等を集めます。集める作業を〝まくる〞といいます。木の棒(もちろん現地調達)で枝葉をかき集め、斜面下へ移動させます。雪だるま式に回転させると上手く行きます。
こうしてできたスペースに、いよいよ苗木を植え付けます。
次回は植栽についてお伝えできるかと思います。