~東京の森から~ 東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
50年、100年後の未来のため13000本の木を植える
前回は地拵え(じこしらえ)についてお伝えしました。地拵えとは、伐採跡地の枝葉などを片付け、植栽するスペースを空ける作業のこと。今回は、そのスペースに木を植える「植栽」についてお話しします。
私たち東京チェンソーズはこの春、青梅市で3箇所、4・6㌶の植栽を行いました。植えたのは花粉の少ないスギ、ヒノキの針葉樹を中心に、クヌギ、コナラなど広葉樹も含め、あわせて約13000本。苗木50本を入れた苗木袋を背負い、トンガというツルハシのような道具を片手に作業を始めます。
まずはトンガで植える箇所をさっと掃き、枯葉などを除けます。間髪入れずにトンガを振り下ろして土を掘り、そこへ苗木を植栽するのです。その後は先程掘った穴の埋め戻し。トンガがメインですが手も使い、十分土を入れたところで、簡単には抜けないよう、その土を足で踏み固めます。
この時、大切なのはスピード。苗木は乾きが大敵で、根や土が乾くと枯れる原因になってしまうのです。また天に向かって真っすぐ植えないと木は曲がってしまいます。この時、きちんと植えられるかが、この木の将来を左右する非常に大事な仕事なのです。
こうして植えた苗木は、やがて大きく育ち、伐採され、家や家具などに生まれ変わって私たちの暮らしに関わってきます。50年から100年後の未来のため、今、植えているのです。
地元の先輩方と共に
今回の植栽では初の試みとして、檜原村のシルバー人材センターに協力を仰ぎ、シルバーの方数名に地拵え、植栽作業を手伝っていただきました。皆さん70歳前後という年齢なのですがとても元気!元の職業が大工さんだったり、都民の森で森林整備の経験があったりと、こうした作業に慣れている方も多く、現場も非常に助かりました。
今後も地元の先輩方と共に、山を守り、林業が地域活性化の一助になれば嬉しい限りです。