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コラム


~東京の森から~ 東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!

毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。

先人の思い、林業の今を、次世代へつなぐ

今年度が始まり半年間で、3名の学生がインターンとして私たちの職場へ研修にやってきました。これまでも「現場を見学、体験したい」という問い合わせはありましたが、今年は学校を通じて正式な科目(インターンシップ)としての申し込みです。学生の就職や将来についての学校側の考え方、学生本人の考え方、それぞれ変わってきているようです。お陰で私たちとしても、若い学生と接する機会が得られ、貴重な日々を得ることができました。

始業前の危険予知ミーティング 緊張した表情の関谷君

記録的な猛暑となった8月。東京環境工科専門学校の関谷駿君がやってきました。環境に関心があり、林業への興味はそれに付随してのことのようです。羽村市出身の関谷君は生物にとって最適な環境の保全、管理を将来の仕事にしたいと考えていて、その主なフィールドとなる森林を活用する林業に、かねてから大きな関心を持っていました。そこで、林業の実情を知るために地元・西多摩の私たち東京チェンソーズを研修先に選んだのです。

 研修は10日間行なわれ、そのほとんどが植林地での下刈り。下刈りについては前々回(7月11日号)にも触れましたが、新たに植えられた苗木を守るため、その周囲を中心に雑草等を刈り取る作業です。私たちは刈払機、関谷君は大鎌を使います。

山といっても大きな木がないため、炎天下の作業となります。暑さとの戦いともいえる、なかなかハードな作業です。関谷君は連日、麦茶を4㍑持参しての研修となりました。

毎日つづく下刈り作業に、「果たしてこれは研修になっているのだろうか」と、はなはだ心配でしたが、関谷君は日々課題を決めて取り組んでいたようで、最後にはこんな嬉しい言葉を言ってくれました。

「初めのうちは大鎌に慣れること、しっかり作業をする事で精一杯だったが、色々な植物を刈っているうちに、その植物の形態について考えてみたり、自分が普段使っている木材というものの裏側に、長い年月や、人の苦労が積み重なっていることを改めて考えさせられた。 作業する現場や斜面の違いによっても植生は異なり、単に植林地と言っても違いが生まれることも知った。 日本の森林面積の多くを占める植林地は自然環境を考える上で大切な要素だが、林業の大変さを知った今、林業を守りつつ本来の自然の豊かさを大切にする事ができないものかと考えさせられた」。

先人の思いや力によって守られてきた環境。そして林業の実態を、これからの世代へ伝えることができたことを、私たちもとても嬉しく思いました。

コラム執筆者

東京チェンソーズ

今日も森にいます
株式会社 東京チェンソーズ
住 所西多摩郡檜原村654
TEL 042-588-5613

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