恒例の「東京文化財ウィーク」が10月28日(土)から11月5日(日)の期間催され、63件の都内文化財特別公開等が行われる。東京都のホームページに情報が公開されている。ガイドブックは各市町村の郷土館などで配布されている。この中から多摩地域での注目すべき公開文化財を挙げる。
●正福寺地蔵堂は東京都唯一の国宝木造建造物。鎌倉の円覚寺舎利殿と並ぶ代表的な禅宗様建造物。室町時代のもの。その内部が公開される。床は土間なので、拝観は底が平らな靴で。但し、11/3は地蔵まつりが開催される日なので、内部を自由に拝観できる時間帯は他の開帳日(8月8日、9月24日)に比べ限られる。
●善明寺阿弥陀如来坐像は鎌倉時代の仏。どっしりと重量感ある仏像。神仏分離に際し、現在の大國魂神社から移されたもの。立像は坐像の胎内仏。
●上染屋不動堂銅造阿弥陀如来立像は鎌倉時代の仏像。
●森田家住宅は江戸時代の建物。森竹は江戸時代、名主を勤めた豪農。元禄時代には既に酒造業を行っていた。現在も住まいや店として使用中であり、見学時は配慮が必要。
●大日堂大日如来坐像は藤原時代の木造の仏。例年、履物を脱ぎ、内陣に入って直前で拝むことができる。これは年に一度の機会。
●小机家住宅は明治時代の洋風外観の建物。木造2階建て土蔵造り。明治~大正期の当主小机三造は町長の岸忠左衛門と連携し、五日市に電気を引き、水力発電所を作り、五日市鉄道を敷設した。
●福島家住宅は江戸時代の萱葺の建物。福島家は江戸時代、名主及び三田領42ヶ村の筏師の惣代を勤めた旧家。
●龍見寺大日如来坐像は藤原時代の木造の仏。その柔和な面相、大きく見開いた目など、大変美しい仏として人気がある。
●丹叟院阿弥陀堂は戦国時代の建立とみられ、町内で最も古い建物。堂内の仏像群とともに、奥多摩町開発の歴史と密接な関係がある。