~東京の森から~東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
林業会社とデザイナーがコラボして生まれた「A BOX」という木の箱 これまで行き先のなかった「一等材」の活用
~東京の森から~ 東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!毎日、西多摩の山々で暮らす
僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
今回は私たちがいま取り組んでいる新しい挑戦についてのお話です。
みなさんは「一等材」という言葉を聞いたことはありますか?材木の等級のひとつで、大小の節がたくさんあり、強度的には全く問題ない程度の死節等が混入している材のことです。
以前からこちらの連載でお伝えしているように、私たちが山から切り出した丸太は、東京の家の柱や板、保育園の内装材などに活用していただいています。
その中で、行き先のない材料として一等材がありました。どうやって活用しようか悩んでいたところに、「aemonoプロジェクト」のお話が舞い込んできたのです。このプロジェクトは、メンバーそれぞれのノウハウとネットワークを駆使して、少数生産のプロダクトを発想し、製品化していくというもの。「和え物」のように多様なデザイン、素材、技法、流通を商品ごとに融合させ、継続化できる新しい仕組みを追求していくプロジェクトです。
そのひとつとして、私たち東京チェンソーズが原材料である木材の供給と、新たに販売も手がけることになったのが「ア ボックスA BOX」という名前の木の箱。どこにでもあるシンプルな箱、ということでこの名前が付けられました。
「A BOX」のテーマは、地域資源を生かして無理なく30年つづけること。30年というと、「東京美林倶楽部」の会員期間でもあり、育林において一番手がかかって一番大切な期間が植えてからの30年。そんなところにもシンパシーを感じました。
高さが60㌢、120㌢、240㌢の3種類あり、並べて美しい。デザイナーによって極限まで考え抜かれ、丁寧に乾燥した素材と確かな技術を元につくられた木の箱は他にはないのではないでしょうか。シンプルで美しく、30年どころか何世代にも渡って使える、しっかりとしたちょっとワイルドな木の箱に仕上がりました。さまざまなシーンで自由に想像しながら使っていただける生活の道具として、また、身近な場所にある自給できる資源の存在に気づくきっかけとして、たくさんの方に手にとっていただけたらと思っています。
加工の流れとしては、檜原村で育った木を私たちが伐採し、村内の製材所で板に挽いてもらい、村内でじっくり天然乾燥させたあと、隣のあきる野市で箱物の特注家具製作を得意とする小野木工製作所様にて加工していただきます。半年かけてじっくり進めてきたプロジェクトですが、まだまだ課題もありつつ、日々勉強しながらの挑戦です。
「自分たちで育てて、作って、伝えて売る。」ことへのチャレンジは、これからも続いていきます。
A BOX販売について→http://tokyo-chainsaws.jp/delivery/a-box/