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コラム

~東京の森から~東京チェンソーズ

檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!

毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。

植え付けシーズン到来西多摩の山に春を告げる

春といえば植え付け。東京チェンソーズも今年の植え付けが始まりました。

現場は八王子の陣馬街道に面した山。いま植えているのは、花粉の少ないスギです。東京都ではもう十数年前から、新たに植えるスギは花粉の少ないタイプに切り替わっています。

苗木は菰と呼ばれる藁で作ったむしろに入っています。

一菰には苗が200本。苗は長さ45㌢ほどと小さいですが、乾燥防止のために根の部分に湿った土が少しついているので、それが200本集まればけっこうな重さとなります。

これを平均ふたつかつぎ、山に上げます。上げるルートは道がある場合もありますが、たいていは道なき道。植え付けの仕事でもっとも体力を使うシーンです。

苗木の入った菰をかついで

とはいえ、時間にしたらせいぜい10分程度(現場にはよりますが)。50〜60年前、スギ・ヒノキの植林が盛んだったころは、遥かな山の上まで1時間でも2時間でもかつぎ上げたそうです。それに比べたら…。かつては、痩せた山には土も上げてと言われています。

将来の木材資源のためにと、そこまで努力して植えた木です。大事に使ってやらねばと思います。そういう思いを持ちつつですが、植え付けは案外のんびりした仕事でもあります。

トンガと呼ばれる鍬に似た道具で穴を掘り、そこに苗木を植え、土をかけ、踏み固めます。基本的にこれの繰り返しです。

春なので気候も良く、また周囲の景色も良く、その中でリラックスして作業に当たれます。

この作業をしばらく続けると、それまではただの地面しかなかった場所に木が現れる。気持ちも晴々とします。

植え付けの仕事で怖いのが、枯れです。

せっかく植えたのに枯れてしまうことがたまにあります。植え方が下手だったということもなくはないでしょうが、それよりは天候・水の問題が大きいと考えられます。

植え付けの大敵は乾燥。先ほど、根には乾燥防止のために湿った土がついていると話しましたが、その湿り気がなくならいうちに植えなければなりません。そして植えたら、あとは雨を願うのですが、タイミング良く降ってくれるとはかぎりません。暑い日も多いですし。そこでこのごろは、噴霧器を使って水遣りもしています。しっかり根付いてほしいものです。

コラム執筆者

東京チェンソーズ

今日も森にいます
株式会社 東京チェンソーズ
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