今、西多摩には夢を実らせる人が集まってきている。「西多摩」には、豊かな自然に魅せられて、都会とは異なる環境と人とのつながりがある。そして新しい人と夢が続々と集まりつつある。
西多摩の人たちに見る、確かな真価と魅力。
昨年から、西多摩で生き生きと活躍されている方々に、沢山のお話しを聞いてきた。
実は文字の倍以上のエピソードを録音している。今回は外出自粛が続く中、これからの西多摩を考えてみた。
東京都でありながら、山や川、森と豊かな自然に恵まれている「西多摩ライフの可能性」が広いことが、新しいチャレンジをする人が集まる理由のひとつだと感じている。
私に初めてのカヤック体験させてくれた御岳は、五輪選手も育ててきた場所である。登山が盛んなゆえに、安全を守るビジターセンターやレンジャーの方々は、実は毎日自分の足で歩いて、細やかな観察と発信を続けてくれている。連載でお会いしたそんな方々は、とにかく西多摩の空気が好きな方々だった。
自分のペースで、大切なものをぶらさずに、毎日を輝かせている。穏やかな中にも、積み上げられた経験からにじみ出る自信と、この先を見ている意識がはっきりと受け取れる。
最近の東京は五輪を迎えて新しい施設、新しい技術で、新しい時代が来るという記事が目立つ。大規模開発はニュースになりやすいが、西多摩の真価は真逆なほどの手作りの、小規模なコミュニケーションが芽生えていることだと感じている。それは時代と逆行しているのでなく、地道にしっかりと歩む人々が多いという意味で、新しい体験や挑戦が、そこかしこにあるのだと思う。
また忘れてはいけないのは、本紙のようなフリーペーパーの存在だ。10年程の間に残念ながら休刊、廃刊の媒体が続いた多摩地域。しかし地域の話題は、地域発信でなければ、そこに暮らす人に届かない。すべての情報がスマホに集中する昨今、小規模な情報はますます埋もれる危険が高まるばかりだ。本稿も更に精進を重ねて、「あの人に会ってきた」という喜びにつなげられるようにしていきたい。
最後に全世界が直面している危機を、他人事とせずに最大限の努力で乗り越えましょう。外に出られなければ、西多摩の魅力を肌で感じることも出来ないのだから。