個性豊かな化粧品、地元企業ともコラボ
あきる野 杉さん
オーガニックコスメ「フルフリ」の代表、杉拓也さん(46)は、あきる野市養沢の自宅兼事務所で無添加、天然素材の化粧品開発とオンライン販売を行っている。地域の特産品を使った商品開発を得意としており、西多摩方面でも新しい商品を作りたいという。
杉さんのこだわりは、自ら国内外に足を運んで原料を厳選し、防腐剤などの添加物を使わないこと。天然素材のファンデーションやクリームは、肌に悩みを持つ客などに好評という。
このほか客の要望に応え開発した商品や、北海道や高知県などの特産物を使った商品、学生や障害者と企画した商品などを扱っている。
都心で育った杉さんは以前、都内の企業でマーケティングの仕事をしていた。大学生グループのビジネスコンテスト応募を手伝ったのを機に、2005年に退職して起業。大学生らがコンテストで特別賞を取った「振って作る化粧水」を世に出そうと独学で化粧品製造を学び、「フルフリ式手作り化粧水」を開発した。
その後、2011年に、あきる野市に移住。もともと林業の活動で何度か来たことがあり親しみを持っていたが、同市に住む知人が立ち上げた障害者就労施設を手伝ってほしいと依頼されたのが直接のきっかけだった。 東日本大震災直後、支援物資輸送ボランティアとして訪れた宮城県女川町の小さな集落で「自分たちは困っていないから物資は都会の人にあげてください」と言われた。住民同士が支え合い、自然の資源を活用して困難を乗り越えようとする姿を見た。都心から離れたあきる野にもこうした強さがあると思い、養沢地区への移住を決めたという。
移住から9年。瀬音の湯など地元企業と共同で化粧品を開発し、商品の在庫管理や出荷業務を障害者事業所に委託するなど地域に密着した事業を展開している。(提供:西の風新聞)