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「想いを受け継ぐ」これまでの客、大切に

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カフェ山鳩 原島秀伍さん、秋恵さん

鳩ノ巣駅を降りるとすぐに、かわいらしい鳩の絵の丸い看板が見える。ここは奥多摩町棚沢のカフェ山鳩。原島俊二さん(65)、さとみさん(65)が店を切り盛りしている。少し離れた場所では山荘も営んでいる。

原島秀伍さん家族

この店を4月から手伝っているのが、俊二さんの長男秀伍さん(37)と妻秋恵さん(39)だ。2 人は2 010年に結婚し、神奈川県藤沢市に暮らしていた。

秀伍さんは甲子園出場を目指し、15歳で奥多摩を出る。それから22年ぶりに奥多摩で暮 らしている。15年ほど前に、母さとみさんから「あなたが継がないのであれば、いずれ山荘を人に貸そうと思っている」と言われた。自分の家が人のものになるというのは複雑な思いだった。その頃から、いつかは山鳩を継ごうと考えていた。長女の瑚子ちゃん(7)が小学校に入学するタイミングに合わせ、奥多摩に戻ることを決めた。

2人には調理の経験があるわけではない。ゼロからのスタートだ。今は、料理の盛り付けから学んでいる。

店を手伝い始めた4月は、大変だった。新型コロナウウイルス感染拡大の影響で緊急事態宣言が出され、お客がパタリと来なくなってしまった。テイクアウトや、お弁当の配達を始めると、多くの注文が入り、今度は大忙しだった。本来なら一から料理を学べるはずだったが、そうした時間をとることもできなかった。激動の毎日だった。山鳩を継ぐことを決めた頃は、事業を拡大することをイメージしていた。だが、奥多摩で暮らし、山鳩に来てくれる客と触れていく中で、考え方が変わった。これまでの客を大切にし、より満足してもらえるサービスを提供したいと考えるようになった。後継者問題で、閉店せざるを得ない店が多くある。秀伍さんのような跡取りがいることは、山鳩にとってはもちろん、奥多摩の未来にとっても頼もしいことである。 (提供:西の風新聞)

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