田村みさ子 日の出町長に聞く
「信頼で選んで下さった皆さんに4年間の日の出町政に注目していただきたい」
『みんなでつくろう日の出町』継承
前町長の死去に伴う4月の日の出町長選で初当選した田村みさ子町長に取り組みと課題を聞いた。
就任4カ月、目の前にあるコロナ対策を含め目が回る忙しさの中、西多摩初の女性町長への期待が高まる。
(聞き手・東京25ジャーナル 岡村信良)
‐日の出町政史の歴史を変えた勝利だった。西多摩初の女性町長の誕生は30年余り町政を見てきて感慨深いものがあった。就任4カ月、女性ならではの目線を生かした町政をどう進めるのか、改めて決意を聞かせてほしい。
田村「選挙投票日の夜に町長就任となり、過去を振り返る暇なく仕事に没頭しています。議員から町長となり、町政をチェックする側から町政運営を担う立場となりましたが、どちらも町民のために働くことでは一緒です。町民の暮らしが多様化している中でニーズも様々です。コロナ禍で例年の行事が次々と中止になり、まだ収束の見えない中で策を進めていきたいと考えています」
‐就任後、目の前にワクチン接種を加速するという大きな仕事があったが、町の対応は早かった。
田村「医師会や高齢者施設等のご協力があり、イオンモールのご厚意で接種会場も確保できました。各自治会役員さんには予約のご協力をお願いしました。皆さまに感謝しています。担当課は連日の激務で、7月からは他の部署の支援体制を決めました。みんな頑張ってくれています。64歳以下の接種は6月29日から始めています。計画では8月中旬には12歳以上の希望者への接種を終える予定です。ただワクチン供給の見通しが急に変更になることがあるので、その点は注視していきます。
ワクチン接種が自治体間の競争のようになっていますが、実は日の出町の医療関係者の接種にはあきる野市のご協力をいただきました。高齢者施設従事者については他所の住民であっても実施しています。自治体間で協力体制をとりながら、東京都全体、国全体で接種が進めばいいと思います」
‐選挙では橋本町政の継承を掲げた。橋本町政、その前の青木町政の評価と受け継ぐべきものはなにか。
田村「青木町政は下水道や工業団地、イオン周辺開発等のハード事業、橋本町政は福祉の単独施策等のソフト事業に特徴があったかと思います。その時代により財政状況や町民ニーズも異なっていましたので、現在と単純に比較はできませんが、橋本町政では、住民の声を聞き、住民一人一人に寄り添った施策の展開は住民の支持を得ていました。
『みんなでつくろう日の出町』その姿勢は受け継ぎます。同時に行財政の不断の見直しは常に言われてきたことです。コロナ禍後、オリパラ後の状況はまだ見えていませんが、住民ニーズをくみ取りながら見直しを行っていきます」
‐6月議会の町長所信表明では、福祉施策と財政対策について、正面から触れ、町政に取り組む真摯な姿勢が伝わった。ただ、福祉施策については町財政を圧迫しているとの声もある。福祉単独施策検証会議の役割は。
田村「福祉単独施策検証会議に先日出席して、委員の方々のご意見を直接うかがいました。この会議は諮問答申の形をとっておりません。ご意見を報告としてまとめます。そしてご意見をふまえて、町としての方向性を出していくことになります。時代のニーズにあった有効な施策であるのか、他の福祉施策とのバランスをとりつつ検討していくことになります。
決定のプロセスの透明性は重要です。町の考え方を町民の皆様とその代表者である町議会議員の先生方にご理解いただけるよう、情報提供に努めていきます」
(4面の東京25ジャーナル面に続きます)