執筆協力 元教員 橋本 勉
春になる前に、ぜひこの″遊び場″へ!
JR五日市線の武蔵増戸駅から徒歩15分程の所に横沢入りという里山があります。多くの団体と人々の努力によって素敵な景観が、60年前のままの姿で維持されています。
山々の木々が芽吹く前、ぜひ一度足を運んでみてください。田んぼを取り巻く山の、どの登り口でも良いので、十歩ほど立ち入って上ってみることをお勧めします。この時期は、木々の葉が落ちているため見通しが良く、重なる雑木類は、枝先まで全部素敵なのです。
雑木林は多摩地区のどこにでもありますが、ここをお勧めする理由は、立ち入る山道の中には少しハードな斜面も選択することができて、子どもたちに「プチ冒険」をさせるには、うってつけの所があるからです。
子どもが本来持っている意欲や主体性を覚醒させるためには、面白い自然の中に身を置いてあげることが、一つの仕掛けとして有効です。ここには、まさにそれがあります。大人も一緒になって遊びに夢中になることもできるでしょう。
今、この横沢入りのタンボを取り巻く山筋の道を、一筆書きの様に結んで、トレイルランのコースにして楽しもうと計画・実行しようとしている方々がいます。今までは、小川と田んぼと湿地と動植物だけだった横沢入りに、山が加わることで今後、この場所の魅力が10倍以上に膨らむと、期待に胸ふくらみます。
このように横沢入りには昭和40年代の、子供たちのワクワクが満ち溢れています。私たちの世代は物欲を満たすようなものは少なかったけれど、意欲と主体性と忍耐力を、自然遊びの中で身につけていたのではないかと思っています。ぜひお子さん、お孫さんと一緒に足を運んでみてください。