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コラム

日本の伝統色を探しに、春の山へ

アケボノスミレ

アケボノスミレ

皆さんは色の名前の由来を考えたことはあるでしょうか?

例えば、山吹色は植物のヤマブキの花の色から、西洋の色ボルドーはフランスのボルドー地方の赤ワインの色に由来があり、多くの色は動植物、地名、鉱物、気象などから名付けられています。

日本では四季の移ろいにより、様々な表情を見せる豊かな自然が存在していることから、日本人は繊細な感覚で色の微妙な違いを細かく見分けて色に名前をつけてきました。「日本の伝統色」と呼ばれ、その数は1000色を上回るとも言われています。

緑色系の「もえぎ色」では、芽吹きの若葉の色(萌黄色)、芽生えたネギの芽の色(萌葱色)、新緑が萌え出るような草木の色(萌木色)と3種類に分けられています。

アカネスミレ 春の多摩地域の山には日本の伝統色が沢山ちりばめられています。山道には花びらが曙色(夜明けの空の色)のアケボノスミレや茜色(染料植物のアカネの色)のアカネスミレが咲き、遠くの山々を見渡すと開いたばかりの若葉の柔らかな緑、冬芽を包んでいたケースの赤や黄色、山間にひっそりと咲くヤマザクラの桜色が入り交じり、優しく絶妙な色合いを生み出します。

この春は日本の伝統色を探して、自然の色彩美を感じながら山を歩いてみてはいかがでしょうか?

リョウブの若葉

コラム執筆者

宮田 浩

エコツーリズム・グリーンツーリズムなどに携わり現在は年間を通じ、御岳や奥多摩などを中心としたツアーガイドなど数多く行う、川と森を案内するスペシャリスト。

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