「西多摩のにぎわい」二段重 予約受付中
地産地消のおせち 福生市の料亭「幸楽園」が提供
新しい年は、地産地消のおせち「西多摩のにぎわい」二段重をお膳に迎えませんか。創業70年を迎えた福生市熊川1018の料亭「幸楽園」が、西多摩産食材をふんだんに使った昔ながらの正統派おせちを用意。予約を受け付けている。
秋川の江戸前鮎や日の出 町畜養のアワビなど
「西多摩のにぎわい」は昨年から提供を始めた。多くの高評価の声をもらい今年も販売を決めた。秋川漁協から仕入れた天然の江戸前鮎や日の出町で畜養されたアワビなど高級食材を取り入れ、埼玉県が主催する「彩の国の名工」を受賞した吉岩大志料理長=写真=が腕を振るった味わい深い一品一品が堪能できる。
一の重は、祝い鯛の姿焼き・国産活け車海老酒煮、「江戸前鮎」の梅煮、青梅市川鍋鶏卵「もみじたまご」の伊達巻、日の出町の畜養アワビの福良蒸し・姫サザエオランダ焼きなど。二の重は、あきる野産栗の渋皮煮、檜原産舞茸山椒煮などが鮮やかに盛り込まれている。重箱のサイズは7寸(21㌢×21㌢)。
和の伝統料理と創作料理が融合した二段重は、幅広い世代に喜ばれそうだ。価格は税込3万2400円。12月31日に店頭で受け取る。注文者全員に同店の食事券1000円をプレゼントする。福生市プレミアム商品券の使用も可能。限定20食なのでお早めに。
問い合わせ、申し込みは042(551)0035まで。
父の背中 -31- 先代の仕事と教え
弱きを助け、強きを挫く
いわゆる〝正史〞には登場しないものの、知る人ぞ知るという人物がいる。西多摩の郷土史でいえば、飛田東山氏がそう。戦前から戦後と昭和の建設労働史を陰で動かした曽祖父について、東山園社長の飛田雪人氏が語る。
「幼少期から『ひいおじいちゃんは凄い人だったんだよ』と聞かされて育った。地域の有力者たちからは東山の多彩な人脈について、家族からは弱者を思いやる曽祖父の義侠心を教えられることが多かった。だから、子供心にも東山や飛田家というものを誇りにしていた」
東山、本名は飛田勝造。明治37年(1904)、茨城県に生まれている。9歳で丁稚奉公に出るほど家は貧しかった。だが逆境をバネに20歳を過ぎると沖仲士として働く。やがて、同じ境遇の労働者弱きを助け、強きを挫くたちに仕事を斡旋する飛田組を設立。
「困っている人を見ると、助けずにはいられないのが曽祖父の性分。そこに私利私欲はなかったと思う。東山がしてきた小河内ダムや軍需地下工場の建設も『みんなのため』ということが、いの一番に来る。だからこそ権力を笠に着た官僚や軍部ともタフな折衝を繰り返せた」
終戦の秋には青梅に移住、翌46年に東山園の原点となる東山農園を開設。根ケ布の天寧寺から借りた丘陵地1万数千坪を耕すのは、やはり立場の弱い労働者や戦災孤児だった。彼らを自分の目の届くところに置き、よそからの不当な搾取を防いだ。
「曽祖父の心意気は、父、東児にも受け継がれている。桐朋高校から信州大学に進み、家業の道を選んだ。おだやかな人でバブル経済の崩壊で造園の仕事が減るなかでも浮利は追わなかった。地道にやれば報われると……」
そんな東児氏も2年前に他界。85年生まれの雪人氏が代表に就いた。雪人氏は10〜20代の時期、前近代的な解体の現場で働いた。その経験から、めざすのが情緒豊かな職場であり、それは東山の理想にも通じる。【岡村繁雄】
元気をおいしく応援 「楊の泉」薬膳メニュー
冬の到来を迎え、心身に活力が求められる季節、食の大切さに気を配りたい。台湾薬膳料理の「楊の泉」(楊淑恵店主=写真=、あきる野市伊奈486‐13)は元気を後押しするメニューがそろっている。いずれもテイクアウトで販売している。
おすすめは漢方入りの薬膳スープ「バクテー肉骨茶」(6 5 0円)と台湾の名物料理「ルーロー」(550円)。バクテーは薬膳素材を豊富に含むスープで豚スペアリブと野菜を煮込んだ料理で、体が温まる。ルーローは豚バラ肉を秘伝のレシピでじっくり煮込んだごはんとよく合う料理だ。
このほか、「漢方薬膳カレー」もおいしい。「食生活が乱れがちな方はもちろん、美容に関心のある方もどうぞ」と楊さん。営業時間は11時30分〜15時。日・月・火曜定休。問い合わせは042(588)4992まで。