25journal

食とエンタメの融合施設

9台のフードトラックで多彩な料理
日替わりでものまね、パフォーマンスなどのショー

「Entertainment Mall THE マルシェ」１月グランドオープン

芸能事務所・タレント派遣、リゾート関連事業などを展開する㈲アオイエンタープライズ（竹前秀樹社長、羽村市富士見平２‐23‐18）は、食とエンターテイメントの新施設「Ｅｎｔｅｒｔａｉｎｍｅｎｔ Ｍａ ｌｌ　ＴＨＥマルシェ」（羽村市小作台１‐６‐29）を開業した。11月30日からプレオープンし、１月中のグランドオープンを目指す。小作駅東口から徒歩２分に立地。食とエンターテイメントを五感で満喫できる施設は西多摩内外からの集客が見込め、地域商業の底上げにも期待される。

広さ５００平方㍍の施設内にはエントランスの２台を含め９台のフードトラックが並び、イタリアンやフレンチ、韓国などの多彩な料理とスイーツ、ドリンクを提供。１５０席の広さのフードコートで好みの料理に舌鼓を打ちながら、ステージで繰り広げられる圧巻のショーを楽しめる。

ショーは、同施設で働く10人余りのタレントを中心に日替りで、ものまね、歌、パフォーマンス、お笑い、ダンスなどを展開。笑いと感動のステージを届ける。最新のステージ情報は、公式Twitter（@themarche2022） で確認できる。

お洒落なフードトラックが並び、ステージでは圧巻のショーが繰り広げられる

ステージは臨場感溢れる本格的な舞台演出と音響設備を備えており、各種イベント、パーティーからプロ歌手などのショーにも対応できる。　竹前社長は「今日も明日も何が起こるかわからない、来場者に本当に喜んでもらえる魅力ある食とエンタメの拠点にしたい。コロナ禍で飲食業界もエンターテイメント業界も本当に苦しんできた。施設はタレントの働く場ともなっており、地元の皆さんにぜひ応援してほしい」と話す。

ヒカキンそっくりのニセキンさんは「グルメとエンタメが融合した素晴らしい施設ができ本当にうれしい。芸に磨きをかけ、多くの人に大きな楽しみを届けたい」と意気込む。

羽村市出身で山口百恵さんのものまねで人気のカトリーナ陽子さんは「あした売れるかも知れないタレントたちが、西多摩をエンターテイメントで盛り上げていくという気概で頑張っていきたい。１年間海外で鍛えた歌唱力でも今年は勝負してみたい」と目を輝かせている。

営業は15時〜22時、土・日・祝日は10時〜22時。ラストオーダーはいずれも閉店15分前。入場無料。ただし、飲食物の持ち込み不可。　問い合わせは０４２（ ５ ３ ３） ６ ６ ５ ９、メールm r c @themarche2022.com

父の背中　-35-  先代の仕事と教え

父の政治、私のラグビー

井上農林園　井上淳孝氏

羽村市で米や野菜の有機農業を営む井上淳孝氏。その原点はスポーツを通して知った〝食〞の重要性にある。高校はラグビーの名門・国学院久我山に進み、中央大学でも活躍。29歳からは中大ラグビー部の監督も務め、韓国への遠征で食習慣の大切さを痛感する。

「父の篤太郎が羽村町の議員、後に町長を務めていた。周囲から『議員の息子』と見られていたことへの抵抗があったのか……、私はラグビーで身を立てたいと考えた。中大時代には３年生のとき、大学選手権でベストエイトになっている」

昭和４年（１９２９）生まれの篤太郎氏が農林高校に入ると間もなく太平洋戦争は厳しさを増す。戦時下の生徒たちは学徒動員され、篤太郎氏も北海道の幌ほろのべ延でジャガイモ生産の日々を過ごす。終戦後、羽村に戻り農業に取り組む。

「なかでも養豚は父の自慢のひとつ。昭和30年当時、ここ羽中にデンマーク式豚舎を建て、英国のリバプールから輸入した種豚を飼育し繁殖に努めた。進取の気性を感じるし、子豚が生まれると、風邪をひかぬように温めながら運んだというエピソードも微笑ましい」

10年ほどして豚舎は閉め、観賞用の菊づくりに転向した。やがて篤太郎氏は羽村町議会議員に推される。持ち前の誠実さを政治身上とし、地域社会の基盤づくりはさることながら、自身の職業経験を生かし都市農業の発展にも尽力している。

「私が33歳で母校の監督を退き、農業に身を投じる決意したのも、こうした父の地域のリーダーとして責任ある仕事をしていた姿に接していたからかもしれない。農業大学校に入り、土づくりや農業技術を真剣に学んだ」

現在、淳孝氏は羽村市農業後継者ラブ会長の任にある。新たな特産品の開発をサポート。イベントでの盛り上げも図る。ここ２、３年はコロナの影響で活動も制約を受けたが、郷土の農業を守る意欲は健在である。　　　【岡村繁雄】