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SDGs

地域の多世代交流、子育て支援の拠点作りに挑戦
専属職員も配置「SDGsを想いに、地域を繋げる」

大久野保育園 みんなのひろば「バトン」/拠点:日の出

バトンの運営にあたるスタッフ

日の出町にある大久野保育園は昨年7月、施設内に「みんなのひろば バトン」をオープン。地域の多世代交流や、子育てで孤立しがちな母親がリラックスできる新しい拠点運営に挑戦している。

開園してから69年となる大久野保育園。これまでも、成長に伴い使えなくなった幼児の服などを、保護者同士で分け合う「お福(服)わけ」や、捨てられる牛乳パックをはじめ、多様な素材を創作遊びに使うなど、SDGs的なあそびに力を入れてきた。コロナ禍で孤立感が高まる母親や、地域のシニア層に交流の場を作ろうと、専属の職員2名も配置し「バトン」をオープンした。

無料で利用できる「お福わけ」

拠点の立ち上げに際し、職員たちらが主体となり話し合った結果、「SDGsを想いにした場所作りをしたい」と決意。「親がゆっくりと食事をとれる時間を」と、保育園で作っている園児と同じ給食や離乳食も、未就学児へは無料で提供し(大人のみ600円)、「癒しタイム」では保育士らが自ら講師となり、「ハンドリラクゼーション」や「ベビーマッサージ」などを無料で体験できる場を作った。中でも「アロマリラクゼーション」は、子どもたちを目の届く範囲で見守りながら、母親はリラックスする時間が持てると人気だ。

運営にあたる田中広美さんと、佐々木梨沙さんは、自身も4人の子育てを経験した。「モヤモヤと悩んでいる母親がバトンへ来て、おしゃべりをしている間に気持ちが楽になっていく姿を何度も目にしてきた」と目を細める。同じく運営にあたる近藤美智代さんも「ここで出会い、毎日忙しい子育て中の母親同士の縁が繋がり、一緒にお出かけするなど、嬉しい声が数多く届いている」と笑顔で話す。その他にも地元農家の苗販売なども企画や、地元のフレンチ料理のシェフとコラボした「大久野みつぼし食堂」など地域とのつながりを作る場として、様々な試みも行っている。

「バトンという名前には、経験者から未経験者へ、おじいちゃんおばあちゃんから子どもたちへなど、みんなの気持ちを繋げていく想いを込めた」と同園園長の高野泰弘さん。「まだまだ皆と共に色々なことに挑戦中だが、地域にとって必要とされる場になっていることが何より嬉しい」と話していた。

バトンでは7月6日10時〜11時、同園ホールで1周年記念イベント「いっしょにうたってあそぼう 福田翔さんのあそびうたコンサート」を開催。子育て中の母親から地域のシニア層など、多世代で楽しめる場を目指している。問い合わせは同園(電話042̶597̶2006)まで。

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