日本酒「はむら」 フルーティーに熟成
市長が出来具合を見聞
橋本弘山羽村市長が2月21日、石川酒造(福生市熊川)を訪れ、羽村産の米と水を使って醸造した日本酒「はむら」の出来具合を見聞した。同市観光協会の副会長で、農業を営み、米を提供する清水亮一さんが同行した。
「羽村の新しい特産品を」と始まった酒造りは5年目を迎えた。市内を流れる多摩川の伏流水「はむらの水」で仕込む。醸造を同酒造に委託し、生産している。市内の酒店で販売するほか、4年前から同市のふるさと納税品としても扱っている。
今年もコシヒカリ1トンを使い、杜氏の前迫晃一さんが、「粘りが弱く、さっぱりしている羽村産コシヒカリのポテンシャルを引き出す酵母」を使い醸造したという。「マスカットや青リンゴ、バナナのようなコシヒカリならではの香りが特徴」とも。
当日、橋本市長は石川彌八郎社長と前迫さんの案内で蔵を見学。日本酒「はむら」が熟成するタンクをのぞき、もろみの香りをかぎ、櫂かい入れを行った。橋本市長は「フルーティーな香りがいい。早く飲んでみたい。現場を見て良かった」と話す。清水さんは「日本酒『はむら』が知られ、『羽村の米が欲しい』という声も多く聞くようになった。羽村の米で特産品を作り、多摩川最上流の水田を守っていきたい」と期待を込める。
酒造り談義にも花が咲き、「羽村産のホップ、ビール麦、水でビールを造りたい」「羽村の米で焼酎造りにも挑戦したい」などの展望も語られた。ビールは既に麦を除いて羽村産のホップと水で2度造り、すぐに完売したという。米焼酎造りは焼酎特区の制度を使って実現できないかと模索している。
日本酒「はむら」は3月初めに搾り、四号瓶(720ml)で1300本余りを製造。3分の1を生酒で出荷し、3月23日に始まる「はむら花と水のまつり2024」や市内の酒販店で販売。残りは火入れを行い、酵母の香りをより引き立たせ秋に出荷する。価格は1760円。