暮らしの中にこそ学びがある
〜今年の卒園児から学んだこと〜
毎年特にテーマは決めないが卒園の時期になると、保育園で過ごした思い出を表現してみようと、一人ひとりの思いを形にしている。
サイコロづくりを選んだK君は、小さい頃からBB弾探しが得意で、公園に行くと必ずと言って良い程見つけ、今では500個を超えている。
4歳までは、とても慎重で年下の子の面倒をよく見ていたMちゃんの作品は、赤ちゃんたちが遊べるお家づくりを選んだ。
花粉症の時期は外には出られないほど症状が重かったYちゃんは、3か月程室内で過ごす中で、毎日ミシンを使い、裁縫がとても得意になった。
3〜4歳児の頃、同級生との関わりを拒み、室内もしくは赤ちゃんたちと毎日を共にする日々を送っていたI君は、年長になると、急に同い年の子との関わりが増え、リーダー的存在になっていった。彼の作品は、在園児が遊ぶための恐竜の世界。
皆と暮らしを共にする事により、それぞれが人との関わりの中で、様々な学びを得ている。保育所保育指針の3歳以上児の保育によると、周囲の様々な環境に好奇心や探求心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養うとある。500個を超えるBB弾や裁縫はその事例の一つである。
また、人間関係に関しては、葛藤や、つまづきを体験し、それらを乗り越えながら次第に信頼感や思いやりの気持ちが芽生えてくることに配慮するとある。急にリーダー格になったI君や面倒見の良いMちゃんは、年下の子を思い作品を遺すまでに成長した。
これらの学びは、長い年月を共にした人間関係があってこそのものだと感じる。暮らしの中にこそ学びがあると言うことを、今年の卒園児の姿から学んだ。
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