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トライアスロンクラブが作った南の島のコーヒー農園「奇跡のコーヒーで、愛するロタ島を救いたい」

SDGs

KFCトライアスロンクラブを主宰する青梅市の大西喜代一さんは現在、サイパンとグアムのほぼ中間に位置するロタ島で「奇跡のコーヒー」と呼ばれる農園の運営に挑戦している。

自身の手で本を出版し、数多くの奇跡を起こしてきた大西さん

兵庫県生まれの大西さんは都心部で働く中、30年ほど前に「生まれた地域の環境に似ている」ことから青梅に移住。当時、日本に入ってきた新種目「トライアスロン」にもその頃に出会った。タヒチで行われていた大会に仲間と共に毎年参加を続ける中、事故により中止に。ロタ島と出会い、ここでの大会立ち上げに向け動く中、島民宅で一杯のコーヒーを提供されたことが、ことの始まりだった。

「飲みなれた日本コーヒーの味がした」。不思議に思った大西さんは、大会を企画する中、コーヒーについての探求を開始。「ロタコーヒープロジェクト」を立ち上げ、山の中群生地となっているポイントを見つけるまでに至った。「ダメもと」で飛び込んだUCCからの協力も得て、調査した結果、「戦前に日本に統治されていたこの島に、日本人が植えたものがそのまま野生化して群生していることがわかった」という。

島民が提供した1杯のコーヒーから始まった

スペイン、日本、アメリカと世界情勢により統治される国もかわり、時代に左右され続けてきたロタ島。大きな産業も育たず、唯一の産業であった観光業も、突如現れたコロナウィルスにより、「ゼロ」となり経済も完全にストップしてしまった。こうした状況からロタ市長も、大西さんのプロジェクトに経済復活の活路を見出すべく、支援を拡大。コロナ禍の中、一気に加速を始めた。

大西さんは、この取り組みを世界へ発信するため、書籍「ROTA BLUE COFEE」を出版。西欧圏へ向け英語に翻訳もし、販売を開始した。そんな中、世界唯一の料理本の賞で「料理本のアカデミー賞」とも言われる「グルマン世界料理本大賞」から連絡があり、「Winner」に入賞。これまで数多くの奇跡が重なり実現してきたプロジェクトに、同賞スタッフから「7つ目の奇跡をあげたい」と連絡が入ったそうだ。授賞式は今年5月を予定している。

ロタコーヒー栽培の試験農園

「奇跡のコーヒーは、私たちが愛してやまないロタ島を救うために今、表舞台に登場しようとしている」と大西さん。「プロジェクト立ち上げから4年たち、私たちの役割もひと段落。島の人々の手で疲弊した経済を立て直していってほしい」と目を細め話していた。

島の新しい産業に

美しい海に囲まれたロタ島

「ロタブルーコーヒー」と名付けられた

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