和の心で、社会課題に臨む「風魔忍者」
忍者と聞くと、どのようなイメージを持ちますか。五日市を拠点に「和文化」を広めている忍者にインタビューしました。
Q 忍者はふだん、どのような生活をしているのですか。
「私の場合は、青少年育成、健幸教育、人材育成をテーマにセミナーなどをしています。幼稚園から海外の旅行者まで、多くの人に〝和の心〞を教えています。今日も池袋でセミナーでした。もちろん五日市の道場で定期的な教室も開催しています」。
Q AIがなんでも答えてくれる時代に、なにを伝えているのですか?
「日本のインテリジェンスですね。なんでもかんでも西洋文化が優れているという考えが多いと思うのですが、実は日本に延々とつながっている和の哲学のすばらしさを、いろいろな形に変えて伝えたいと思っています。たとえば武道では相手を負かしたとしても、ガッツポーズで喜ぶことはしません。和の観点では格好悪いんですね。勝つということは負けた人たちの人生を背負うという意味もありますから。そんなことを幼稚園から大人迄教えています」。
Q 海外の方にも人気が高いのですよね。
「世界にはいろいろな人種、宗教の方がいますが、皆さんが日本文化や忍術に興味があります。挨拶、お辞儀ひとつにしても、きちんと習っていきます。実はコロナの期間もオンラインセミナーを開催していました。旅行会社が団体研修をプログラムすることもありますが、先日も都内から五日市の教室までプライベートレッスンで来られた海外の方もいらっしゃいました。日本の企業と契約して研修を仕事としている方など、日本の心を学び、仕事や生活に活かしたいという方が増えています。皆さん、日本を尊敬しています」。
Q これから野忍としては何を目指すのですか?
「忍術で社会課題を解決していけると思っています。近年の価値観は、勝ち負けですべてが決まるようなことが多いと思うのですが、和の心で見ていくと違いがわかります。幼児教育でも社会人教育でも、海外からのノウハウが多いですが、和の哲学を深めていくことで日本人に適した内容にできます。教育だけではなく、自然共生や循環社会とか、いまSDGSと言われていることも、そもそも日本には昔からあったものです。それを具体化できる忍術の里を造り、社会が子供を育てていくような、大人も子供も、幸せを感じられるような場所を作っていきたいです」。
Q 甚川さんに会うには、どこに行けば良いのでしょう?
「まずは五日市の『野忍風魔忍術道場』ですね。お子様だけでも親子でも、プログラムを多く用意しています。都内のセミナーやアウトドアイベントに呼ばれることも多いですし、やはり小田原にも行っています。移動でも和服を着ていますので、見かけたら声をかけてください」。