あきる野市に世界から「少女まんが」を求めてくる場所がある。「女ま館」と呼ばれる聖地の大井さんにお話を伺った。
世界中からファンが訪れる 「少女まんが館」
大井 夏代さん
「出身は三浦市。かけっこが速く、作文もよく褒められた思い出も。小学校から「週刊少女コミック」を読んでいたらしく『森の子トール』『さすらいの太陽』『愛の泉』などのタイトルを憶えています。中学生の頃は、『ポーの一族』『トーマの心臓』が大好きで。萩尾望都先生にハマりました」。(大井さんが、この地に同館を開く経緯は、HPなどで見ていただきたい。)長い間愛される少女漫画も変化があったと思われるが、その魅力は一体何だろう。
「変わらないのは夢のような、別世界に浸れること。変わったのは、読者層もお話そのものも多種多様になったこと。主人公が80歳女性という作品『傘寿まり子』があったり。91歳現役の人気作家さんもおられます」。
そんな同館には世界中からお客様が来る。「ニューヨークから来た人は、竹宮惠子先生に師事したいと。韓国から来た大学の先生や、ブラジルの人形作家の女性、チリからアメリカに留学中の女子学生と、それぞれ目的を持って来られます」。
世界中を魅了する少女まんがとは。「絵とセリフとコマ運びで構成していく表現に国境はなく、子ども向けでも大人にも届くテーマが作品群に含まれている。そして絵柄がかわいらしく、美しい。『魔法使いサリー』『リボンの騎士』、『キャンディキャンディ』『美少女戦士セーラームーン』などは、「戦う少女」「自立する少女」という、世界の半分を占める少女たちに「夢」を運んだのではないでしょうか。人間(子ども)の心には国境はないということでしょう」。
最後に大井さんに「無人島に一冊だけ持っていけるとしたら」と聞くと、「フラワーコミックス『ポーの一族』3巻(「小鳥の巣」ほか)、でしょうか」と話してくれた。
「少女まんが館」
〒190-0155
東京都あきる野市網代155-5
電話 042-519-9155