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増水で水に浮かぶ神社

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川物語 霞川を歩く その4

護岸をコンクリートで固め、調整池が整備された霞川は梅雨の大雨にも昔のように氾濫することはない。だが、かつては蛇行箇所が多い霞川は大雨のたびに水があふれた。そんな洪水の様子を名前に残す神社が天神様でえ知られる今井の浮島神社だ。

七国山の山頂にあったが、江戸時代に現在の平地に遷座した。社号は「新編武蔵風土記稿」によると、近くを流れる霞川の増水の際に神社の敷地が水面に浮かぶように見えたことに由来するという。

江戸時代は神社周辺に一面の水田地帯が広がっていたことが想像され、昭和30年代までその面影は残っていた。神社にはうっそうと広がる森もあった。だた、1966年9月の台風26号で大半がなぎ倒された。

古老の中には、水が神社の土台まで来たことを記憶する人もいる。周囲の環境が変わる中で神社は昔の面影を残す数少ない場所になったと懐かしむ。

神社の創建年代は不詳だが、1594(文禄3)年に平山小十郎ほか3人が再建したとの棟札がある。1996年秋には氏子の力で社殿の新築工事も施された。地域の住民に慕われ守られる神社は4月に奉納冠句大会などがある例大祭、11月には地域のお年寄りが集まる長寿祈願祭と今井保育園の園児たちが成長を祝う合同七五三が催される。神社は多くの住民の心のより所となっている。(

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