~東京の森から~
東京チェンソーズ林業家集団「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
檜原村の入り口を景観整備
伐採木は地産地消で「数馬の湯」の薪ボイラーで利用
東京チェンソーズではいま、檜原村の入り口・中山地区で伐採・搬出の作業をしています。修景事業という景観をよくすることを目的とした村の事業で、スギ・ヒノキの人工林を都道に沿って約310本伐採します。
伐採した木は用材として使うほか、南郷地区の薪製造施設に移動、薪に加工され、温泉施設「数馬の湯」の燃料として利用されることになっています。檜原で伐った木を檜原で使うという地産地消。すごく自然な感じがして、いい仕事だなと思っています。
ちなみにあと地には将来広葉樹を植える計画もあるようで、新たな新緑・紅葉スポットになりそうです。作業はほぼすべての木をチルホール使用で伐倒。玉切ったのち、とびで斜面下方に落とし、今度はそれをロープを使用したポータブル・ウインチで引き1ヵ所に集め、最後はクレーンでトラックに積み込みます。ポータブル・ウインチは50㏄エンジンを積んだもので、1000㌔㌘まで引くことができます。
ワイヤーではなくロープを使うので取扱いが容易で、しかも安全。現場で本格的に使うのは今回が初めてで少々不慣れですが、こうした場所では今後使うケースが増えそうです。先日、この現場に都内の小学校の先生が〝取材〞に訪れました。
新宿区立江戸川小学校の冨樫朱夏先生で、4年生の社会の授業で檜原村を取り上げるそうです。教科書には檜原村について「林業は昔ほど盛んではなくなった」というような記述が1行あるのみだそうですが、冨樫先生はそれを疑問に思い、こうしてやってきたのです。現場ではちょうど、伐採作業の最中です。1本倒れるたびに大きな音が響きます。動画を撮影しながら冨樫先生は「東京には街もあれば村もある。この様子をできたら、ビデオではなく生で子どもたちに見せてあげたい」と話しました。「檜原に行ってみたい、と思ってもらいたい」。
この授業を受けた子どもたちの中から、将来林業をやってみたいという子が現れるのか…。私たちも楽しみです。
現場は、あきる野市側から檜原村へ入ってすぐの道路左手。まだ数週間は作業が続きます。お時間がございましたら、すこし覗いてみてはいかがですか。