~東京の森から~東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
夏へ向け増える木々の香り「フィトンチッド」
6月、森林浴に最適な季節が到来
先日、代々木公園で開かれた「アウトドアデイジャパン」というイベントに参加しました。その際、電動チェンソーでの丸太切り体験を行なったのですが、そこでちょっと気になることが。木を切ったあと、体験者がこぞっていうのです。「いい匂い!」と。大人も子どももですよ。そうなんです。木はいい香りがするんですよね。今回はその木の香りについてお伝えします。
森林浴という言葉もあるように、木々の生い茂る山を歩くとリラックスして、何ともいえない爽快な気分が味わえます。ストレスが減り、脈拍も安定するようです。さらには、木のもとで睡眠をとると疲れが早くとれるとも。この安らぎのもとになっているのが、木が放つ香りです。この香りの正体は〝フィトンチッド〞という名の精油成分。フィトンチッドは樹木が成長するための光合成の際に副産物として作り出され、木自身を守る働きをもちます。たとえば、昆虫や動物に葉や幹を食べられないようにしたり、他の植物が育たないようにしたり、病原菌に感染しないよう、殺虫・殺菌を行なったりもするそうです。人間には癒し効果をもたらすフィトンチッドですが、このように他の動植物には当たりが厳しいようです。フィトン=植物、チッド=殺す、という意味だそうです。土に根ざして生きる樹木は動物と違って自らの足で移動することができません。そのため、外敵から攻撃を受けた際にフィトンチッドを発散し、自らの身を守るということです。樹木が発散するフィトンチッドは、木の成長に連動して6月から8月にかけて多くなりますので、これからの季節はまさに森林浴にぴったりの時期と言えます。また、フィトンチッドは、生きている樹木からだけ発散されるわけではありません。伐採後に建材や木製品、葉の状態でもその効果は持続しています。クスノキのタンスの防虫効果や、柿の葉寿司の防腐作用など、私たち日本人は、自然の恩恵を昔から受けていたということですね。
ゴールデンウイーク期間中、昭島市にあるモリパーク アウトドアヴィレッジ様のイベントで丸太切りやかんなくずプールを行ないます(4月30日、5月1日、3日、4日、5日)。もちろんフィトンチッド満載の催しになること間違いなしですので、お近くにお立ち寄りの際はぜひどうぞ。