執筆協力:市民ライターKさん
皆さんは東京都の水源について、どれほどしっているだろうか。今回紹介する木村さんは「多摩川水源森林隊」を担当する、根っからの西多摩人である。
東京の水源への思いを熱く語る、森を愛する真摯なナイスガイ。
東京都水道局 木村 高士さん
「出身は東大和市。狭山丘陵でカブトムシやザリガニを採ったり、祖父の茶畑や野菜畑など、豊かな自然環境の中で育ちました。農林高校林業科で学び、慣れ親しんだ自然に関係する仕事に就きたいと、東京の山で働ける林業職の試験を受け、現在は東京都水道局水源管理事務所で水道水源林の管理に従事。休日も山登りや野菜作りをし、いつも自然の変化を感じることで毎日が充実しています」。
普段あまり耳にしない「水道水源林」。この言葉に興味を持ち、より詳しく教えてもらった。
「都の水源の約2割を多摩川系が賄っています。小河内ダム周辺、東京都約10分の1相当の面積を、約120年前から水道水源林として都水道局が管理しているのです」と木村さんは話す。「1世紀以上も前に東京の水道水のため、この水を育む森林を直接管理するという発想に至った先人。その歴史ある水道水源林で働けることを、私は誇りに思っています。
この素晴らしい水道水源林に感謝し、より多くの人に知ってもらいたいと願っています」と熱く語ってくれた。
東京都水道局ではボランティアの力を借りて、多摩川上流域の民有林の間伐や枝打ちなどの森林作業を担う「多摩川水源森林隊」という取り組みも行っている。ボランティア隊員からは「山の手入れを行うことで、普段飲む水に改めて感謝するようになった」「自分が手を入れた森林がきれいになっていくのを見ると感動する」などの感想が寄せられる。森林隊活動を通じて水道水源林の大切さを、より多くの人に知ってほしいと願っている。興味のある人は、森林隊に参加してはどうだろうか。
多摩川水源森林隊
☎0428-83-2045
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kouhou/sinrintai/