念願のゴミ拾い、母と
御岳渓谷でリバークリーン
編集/執筆 小林拓也|編集者・リバークリニスト
Vol.1ゴミ問題を想う、西多摩の〝人〟に焦点を当てる不定期連載。
第1回目は、奥多摩町立氷川小学校5年生の野村皇汰さんです。
ゴミ問題を想う、西多摩の〝人〟に焦点を当てる不定期連載。第1回目は、奥多摩町立氷川小学校5年生の野村皇汰さんです。
野球の練習はすべて中止になった。旅行もできなかった。だから、御岳渓谷に行くこの日が待ち遠しかった。
ラフトボートに乗ってパドルを漕ぐ。水しぶきを浴びて急流を下る。夏休みにぴったりな、爽快なアクティビティ。でも、楽しみはまだ半分。
「あったー!」
ボートから降りてダッシュ。川岸に散らばるペットボトルやビニール、サンダルなどを拾い集め、ゴミ袋に詰め込む。ボードだけがたどり着ける川岸。みんなでキレイにすると、何だか気持ちがよかった。
「よーし、次!」
青梅市のラフティングプランナー・柴田大吾さんが取り組む、ラフティングしながらゴミを拾う「リバークリーン」。レジャーとゴミ問題をつなぐ試みは地域で評判を呼び、6月には朝の情報番組で取り上げられた。
夏休み中にリバークリーンがしたい。母に伝え、柴田さんにお願いしてもらった。
――母の千章さん曰く、皇汰さんは昔からボランティアへの興味が強かった。「私の父とゴミ拾いしたり、東北の被災地の子と交流したり、レジ横の募金箱の仕組みを知りたがったり。今後も好きなことはどんどんやらせてあげたいですね」と、目を細める――。
夏休み、家にいると気づいた。母は毎日忙しく働いていた。学校はもちろん、野球チームで活動できるのも、東北の友だちと遊べるのも、「当たり前」ではない。だから今日が楽しみだった。母と一緒にリバークリーンをする、8月31日。
軽いペットボトルや古そうな缶は川の淀みに多く、BBQの網やタバコのほとんどは川岸に落ちていた。最も目立ったのはペットボトルだ。
でも、ゴミはどこから流れてくるのだろう?気になることが、またひとつ増えた。