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西多摩が東京観光の魅力に 台風19号被害早期復旧に全力

田村利光都議 特別インタビュー

田村利光都議=交運社社長を経 て、2017 年の都議選で初当選。 2 期目。東京都議会自由民主党 政調会副会長などを務める

田村利光都議=交運社社長を経 て、2017 年の都議選で初当選。 2 期目。東京都議会自由民主党 政調会副会長などを務める

 

2021年の都議選で再選を果たし、東京25区内で唯一、自民の議席を守った田村利光都議(54)に2期目への抱負を聞いた。台風19号被害の復旧に全力を挙げ、三多摩格差の是正、西多摩の魅力発信に前向きに取り組んでいることを語った。インタビューは大要次の通り。なお、1問1答はニュースサイト東京25ジャーナル4月16日号で掲載。(東京25ジャーナルで検索)=2月24日、福生市福生の田村事務所で。 (聞き手・岡村信良)

田村都議は都議選について、「負けなかったが、勝てなかった選挙。4年前と同じ結果になった。負けなかったのは、多くの方の支援の賜物。トップ当選できなかったのは私の力不足に尽きる」と振り返った。「1期目は行政や議会用語、議会の進行などに慣れるのに大変だった」と明かしながらも、「今は素人感覚、民間感覚をプラスと考え議員活動に取り組んでいく覚悟を決めている」とした。

西多摩でも大きな被害が出た2019年の台風19号の復旧工事では、「奥多摩、日の出、あきる野などの地元議員と連携し、都に早期復旧を働きかけた。都が管理する秋川の護岸復旧工事では、調査で川床が上がっていることも判明し、行政には基準に即した対応だけでなく、住民の不安を取り除く工事が進むよう求めた」とした。

西多摩の魅力の発信では、「『西多摩をTOKYO世界一都市への原動力に』を掲げ、西多摩の観光振興が東京観光の魅力増進につながることを都観光事業審議会などで訴えてきた。コロナ後を見据え、都民はもとより来日外国人に西多摩に足を運んでもらえるよう努力したい」とした。

三多摩格差の是正、都市基盤整備の促進については、「三多摩格差の是正にはしっかり向き合ってきた」とし、「消防団は23区が都の直轄管理なのに対し、多摩は自治体が管轄する。予算の面などで手薄くなる。同じ条件を求めていきたい」とした。社会基盤の整備では「多摩川、秋川の南岸道路の整備促進を訴えていきたい。秋川南岸道路では檜原村下元郷付近の第1工区が動き出す。防災面からもダブルルートとなる2つの南岸道路の早期開通を進言していく」とした。

行政境越え、コミュニティバス運行を

2期目で力を入れていきたい1つの政策として、「自治体でコミュニティバスを走らせているが、行政境を越えた運行を考えてはどうか」と提案。「乗降客のデータを取り、各自治体の負担割合などの基準を決めればシステム的には可能だ」とした。また、あきる野市では志清会の議員がデマンド型の公共交通を研究し、先進地視察に自身も同行した中で、「乗る場所、降りる場所、乗る時間、降りる時間を指定できる乗り合いタクシー的なバスは、地域の移動を支える交通手段になる予感がした。高齢者や障害者など交通弱者への更なる移動支援の充実は今後の大きな課題でしっかり取り組みたい」と意欲を示した。

インタビューではこのほか、テレワークが進む社会環境での西多摩の特異性、自ら立ち上げたNPO法人にしたまの取り組みなどを語った。

父の背中 ■19 ■ 先代の仕事と教え

信仰と観光の山に生きる

御岳山荘 金井格氏

東京都青梅市に位置する御岳山は、古くは信仰の山として知られてきた。山頂には武蔵御嶽神社があり、参道に沿って21の宿坊が軒を連ねる。本来、僧や参拝者たちが泊まる場所だったが、戦後は一般にも開放されている。

「当家も代々、御嶽講を広め、多くの参拝者をもてなした御おし 師の家系。ここの母屋は江戸時代、御嶽神社の社務所として使われていた。数百年にわたり山頂から響く祈願の声や太鼓の音を聞き続けてきた建物といっていい」

宿坊の歴史に触れながら説明してくれるのは、御岳山荘の32代目に当たる金井格いたる氏。御師の家の長男として生まれ、一子相伝の育て方をされてきた。その意味で、父である国俊氏は親であると同時に先達でもあった。

「太平洋戦争直前の昭和15年(1940)に生まれた父は戦後、国学院大学で神職の資格を取得。実家に戻り祖父を手伝いながら母校の都立多摩高校で古典の教鞭も執った。息子から見ても学究肌で、神社の故事来歴にもくわしい地域の知恵袋のような存在」

一方、68年生まれの格氏は東海大学菅生高校在学中に御嶽神社に1週間こもり、行事作法や祝の り と詞を学ぶ伝でんぽう法に参加。卒業後は宮城県にある志波彦神社鹽しお竈がま神社神職養成所で2年間修行。さらに、国学院大学の2部も修了している努力家だ。

「学生時代に御岳山に戻ると、父に随行しての見習い修行。都内、近県に50余りある講に所属する人たちの家々を回り、神おふ だ札を届けるなど御師としての仕事に慣れていった。感心したのは、父が数多い講員1人ひとりの名前や家族構成をそらんじていたこと……」

御岳山は、信仰の山であると同時に観光地としての側面を強く持つ。近年は外国人やペットを連れた登山者も急増していて、ケーブルカー乗り場と売店付近の様子も様変わりした。そうした時代の流れにも目を配りながら、80を過ぎても達者な国俊氏とともに山荘を守っている。    【岡村繁雄】

コラム執筆者

編集室システムU

西多摩地域を中心とした東京25区管内の政治、行政、経済社会、トピックスなどを配信する「東京25ジャーナル」の編集室。
“地域の今”を切り取ります。

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