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一次エネルギーの収支をゼロにする「木造ZEB」を建築

多摩地域初の試みとして、モデル事業に挑戦

「森のいいこと」(写真左)と、「知創」で新しい就業支援に挑戦を始めた

株式会社森のエネルギー研究所/活動エリア:青梅市

青梅市東青梅に本社を持つ森のエネルギー研究所は2021年6月、環境省補助金「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建物実証事業」の採択を受け、新事務所「木ズナのもり」を建設。

ZEBとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略称で、再エネ導入と省エネ設備の組み合わせで、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を示し、同社が建てた「木造ZEB」は2021年3月時点で、多摩地域初となる。

建設した「木ズナのもり」

同社は豊かな持続可能社会の実現へ向け約20年前、4人の発足人で創業。再生可能な、生物由来の有機性資源「バイオマス」という言葉が、まだ一般的でなかった時代から、独自にノウハウを蓄積。バイオマスエネルギーの利用実現のサポート事業を行い、現在では全国の自治体へ向けた一貫した政策支援や、民間企業へ向けた資源利用の事業化サポート、官公庁への政策提言や調査事業なども行っている。

今回の新事務所を建設した理由に、「木造ZEBは高額なのでは?」「よくわからない」などの不安を持つ声も多く、「坪単価でどれくらいでできるか」などを、自社内で実証していくため、モデル事業として挑戦を決めた。建物は極力コンパクトにし、共同事業として取り組める企業に貸して運営するスタイル。青梅市内で障がい者、健常者向けの学童などを運営している知創が、就労支援施設として1階部分に入った。

◂本社事務所が入る「木ズナのもり」2階フロアー

森のエネルギー研究所社員、OBらの出資により創業した「森のいいこと」と知創がプロジェクトチームを作り、地元の木材や農産物を使った商品を開発。利用者が木製出産祝いネームボード、薪で乾燥したドライフルーツなどの製造を請け負い、対価を得る事業に現在、挑戦している。今後は市の記念品として贈答品に使用できないかと企画をしている。

「地域の木と人、地域と障がい者をつなげる事業に、このプロジェクトが担っていければ」と両社スタッフは話していた。

▴全国でバイオマス活用へ向けたコンサルティング業務などを行う(左)/数馬の湯に設置された木質バイオマスボイラー(右)

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