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コラム

大会通し選手たちの成長願う

東海大菅生高校後援会長 橋本健司氏
3月18 日に阪神甲子園球場で開幕する第95 回記念選抜高校野球大会に東海大学菅生高校が出場する。選抜は2年ぶり5回目、夏を合わせると9回目の甲子園になる。1983 年の開校以来、同校後援会長を務める橋本健司氏(88)は、大会を通した菅生ナインの成長と念願の全国制覇達成へエールを送る。

全国制覇へエール

菅生は昨秋の都大会を圧倒的な強さで制し、選抜出場を確定的にした。選手たちは晴れの甲子園の舞台に思いを馳せ、鍛えの冬と向き合ってきた。

だが、選手たちにも関係者にも思いもつかぬ不測の事態が発生。菅生野球を常勝軍団に育てた若林弘泰監督(56)が1月21日付で退き、上田崇新監督(29)が就任した。

出場選考にも影を落としたが、選抜出場が決まると関係者は一様に胸を撫で下ろした。選手たちは頭を丸め、選抜大会への意気込みを示した。

橋本氏は「ショッキングな事態を乗り越え、 子どもたちには一回りも二回りも成長して欲しい。部員たちは頭をまるめ、勢いがある。精神的に影響はないと思う。菅生の活躍はあきる野市をはじめ西多摩に元気をもたらす」と期待する。

大会開幕まで後援会は寄付金集めや応援団派遣などの準備に追われる。「毎回多くの皆さんの協力に感謝している。今回もスタンドで声援を送るのが楽しみ」と相好を崩す。

橋本氏は、同校創立者で前理事長の島田久氏とは青梅農林高校で席を隣りにして以来、人生の半分以上を共に歩んできた盟友。島田氏は野球部の甲子園出場を毎回楽しみにしていた。

2010年に島田氏は肺炎で死去。橋本氏は弔辞で「野球部が甲子園で活躍し、東海大菅生の名を広めましたね。甲子園での試合に後援会会長として応援できたことは私にとって名誉でした」と語りかけた。

機関車バス「青春号」運行終了

当初から無駄使いの指摘も

乗物ファンに愛され3月末で

「武蔵五日市駅〜つるつる温泉」を往復する機関車バス「青春号」が3月31日で運行を終わる。

近年車両老朽化による故障が頻発し、部品確保もままならない状態が続いていた。 機関車バスは全国でも珍しいトレーラータイプの路線バスとして、西東京バスが日の出町の補助を受け1996年11月に運行を開始。観光の目玉として子どもたちをはじめ乗物ファンに親しまれてきた。

だが、運行当初から無駄使いとの指摘があり、車両を買い替えた2007年度の決算審議では、現町長で当時町議だった田村みさ子氏が「汽関車バス青春号の6961万円は非常に高額な買い物である。予算を抑えるよう検討したのか疑問である」と指摘した。

谷戸沢、二ツ塚の両最終処分場を運営する東京たま広域資源循環組合からの潤沢な地域振興費で賄われた汽関車バスだけに、今後先細る地域振興費の額とともに姿を消すのは当然の成り行きかも知れない。

運行終了前の3月下旬頃に「機関車バスお別れイベント」の開催が計画されている。

姿を消す機関車バス

父の背中36 ~先代の仕事と教え~

決断、養蚕からトマトへ

青梅は古くから梅の里として知られてきた。ウメは特産品としても有名だが、近年は東京近郊という立地を生かし、トマトの生産も盛んだ。友田町にある輪千農園も、そんなトマト農家。輪千惠太郎氏が栽培をはじめ、息子の智一氏と一緒に取り組んでいる。

「わが家は代々、この地で養蚕を手がけてきた。けれども、父が20代前半のころトマト栽培を本格化している。はじめは土に植えていたが昭和60年、水耕栽培の一種であるロックウール栽培というやり方に切り替えた」

1949年生まれの惠太郎氏のこうしたベンチャー的な経営姿勢は、東京都農業試験場(現東京都農林総合研究センター)で近代農業を学んだことと無関係ではない。都内でもまだめずらしかった栽培システムにチャレンジした姿勢を智一氏も見習いたいという。

「時勢も味方したかもしれない。食卓における健康と安全・安心志向、地産地消を提唱するJAの直売所オープンが間違いなく追い風となったはずだ。私どものトマトも産直物として人気がある」

3人兄弟の長男である智一氏は家業を継ぐことに迷いはなかった。小学校卒業のスピーチでは、トマト農家になることを明言。東京農大一高を経て、東京農業大学に進んだ。卒業後、1年ほどロックウール栽培システムの会社で農業研修をしたあと実家に戻った。

「それが2002年のこと。振り返ってみれば、昔気質で無口な父の足跡をたどるようにして、日々の仕事に取り組んできた。これからは農園の規模を拡げながら、トマトづくりの面白さを地元の若い人たちに伝え、農業にたずさわる人の数を増やしていきたい」

いま、輪千農園の1000坪弱におよぶガラス張りの温室では赤々とした大玉と中玉のトマトがたわわに実っている。出荷期は12月から6月まで。年始をのぞいたほぼ毎日、収穫と袋詰めなどの忙しさが続く。

輪千農園 輪千智一氏

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西多摩地域を中心とした東京25区管内の政治、行政、経済社会、トピックスなどを配信する「東京25ジャーナル」の編集室。
“地域の今”を切り取ります。

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